昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
ADHDと怪我
昨日の日記で昇平の幼い頃の話をしたので、引き続き、彼の幼児期の話をすることにしましょう。
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ADHDっ子たちは、怪我をする確率が、非ADHDっ子たちよりもぐっと高い、という統計結果がある。
それはそうだよね〜。
なにしろ、注意を持続するのが困難だから、まわりをよく見ていないし、衝動性があるから、おもしろそうなものがあるとパッとそちらへ体が反応してしまうし、おまけに多動だから、じっとしていられなくて動き回ってしまうし。
こういう子どもたちに「怪我をするな」ということの方が、難しいような気がする・・・。(^_^;)
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うちの昇平もご多分に漏れず、これまでに何度か痛い経験や怖い思いをしてきている。
一番の大けがは、彼が2才だった冬のこと。
母とお風呂に入っていて、浴槽の縁に立ち上がったのだ。「危ないよ」と母が降ろそうとしたとたん、彼の体はまっすぐ前へ倒れていき、空けっぱなしになっていた浴室の戸の敷居で、顎の下をざっくり切ってしまった。
急いで夜間救急病院へ走ったが、顎の下を7針縫って、しばらく病院通いが続いた。
でも、あれでもし戸が開いていなかったら、ガラス戸に頭から突っ込んでいたかもしれなかったし、もっと広い浴室だったら、床のタイルで頭を強打していたのかもしれない。それを思えば、その程度の怪我ですんで幸いだったと言うところなのかもしれない。幸い、顎の下だったので、傷もほとんど目立たないし。
ただ、やっと傷が治りかけた頃、廊下を走って転んで顎を打ち、また傷口が開いて病院へ走ったというおまけがついた。
多動のあるADHDっ子というのは、本当に怪我が絶えない。
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一番怖かったのは、同じく2才の頃。
母が虫歯になって、どうしても昇平を連れて歯医者に行かなくてはならなかったときのこと。
昇平は、歯医者の診察室の空の治療代に上がり込んで、水を出したり、さんざん好き放題遊び回っていたのだが、気がつくと、昇平の姿がどこにもない。あわてて、隣の待合室に行ったが、そこにも昇平はいない。
と、一緒に探してくれていた衛生士さんが病院の外から声を上げた。「いました! 裸足で道路にいます!」
歯医者のエプロンをつけたまま外に飛び出すと、昇平は、歯医者の前の道路の真ん中で、乗用車数台とトラック1台を停めて、ご機嫌で踊り回っていた。
後にも先にも、あれほどぞっとした経験はない。
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高いところもまるで怖がらない。
転んでも、よほどのことでなければ、痛がって泣くことさえない。
その頃は、昇平がADHDだとは知らなかったけれど、「この子はなんだか普通じゃない」と私も主人も感じていた。
そんな昇平が、転んで「いたい」と泣くようになったのは3歳過ぎ。高いところが怖くなって、公園の遊具で遊べなくなったのが5歳過ぎ。
一見、それまでできていたことができなくなったように見えたのだけれど、私達は、そんな彼を見てほっとしたのだった。
やっと、痛みや危険を認識できるようになったのだ、と・・・。
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今、昇平はとても恐がりになっている。
スーパーの階段は落ちそうな気がして、1人で下りることができない。
道路を1人で歩くと車にぶつかりそうな気がするから、母と手をつながないでは歩けない。
ところが、学校ではジャングルジムをどんどん登り、ブランコも、先生や友だちと数を数えながら乗っているのだという。
ジャングルジムもブランコも、ついこの間まで、怖くてできなかったはずなのに。
きっと、まわりのお友だちが平気で挑戦しているのを見て、自分にもできそうだと思ったのだろう。
う〜ん。本当に成長してきたなぁ。
まだまだ、不注意からくる危険は多くて安心はできないけれど、それでも少しずつ落ち着いてきた昇平。
危ないことは危ないとちゃんと認識した上で、それに挑戦して、クリアしていってほしいと思う。
そして、できることならば、もう大きな怪我はしないでほしいなぁ・・・・・・。
[02/04/23(火) 23:28]