昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
「頭いたいよ〜」
昨日の朝のこと。
朝食を食べ終え、あわただしく登校の準備をして車に乗り込んだ昇平が、突然「頭いたい」と言い出した。
え、頭でもぶつけたの? と思ったけれど、本人はそのままゲームボーイをやりだしたので、大したことないのかと思って出発した。
ところが、学校について車から降りようとすると、また昇平が「頭いたいよ〜」と言い出した。
顔色も青白くて、本当に具合が悪そうだ。
「気分悪いの?」と聞くと「うん」と言う。
風邪だろうか、とも思った。数日前から風邪気味で、鼻水は出ていたから。
でも、おでこを触っても熱はないし、だいたい、朝起きてから出発するまでは特に変わりがなかった。
とすると、やっぱり「あれ」だな。新入学児がGW頃に起こすことの多い、登校時の神経性頭痛・・・。
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神経性の頭痛と言っても、決して仮病なわけではない。
本人は本当に頭が痛くてしかたがないのだ。お腹が痛くなったり、気持ち悪くなって吐いたりしてしまう子もいる。
おおむね、デリケートな性格の子どもたちに発症する。障害のあるなしには関係がない。
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教室まで連れていくと、本当に辛そうに母にしがみついて「頭いたいよ〜、死んじゃうよ〜」と泣く。「お腹いたい」も始まった。
森村先生が「(今まで)がんばってきたから疲れちゃったかな」と言いながら、昇平をトイレに連れていってくれた。おしっこが出ただけで、下痢などはしていない様子。
昇平の頼る相手が母から先生に移ったので、そのまま先生にお願いして、母は家に帰った。
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あとから聞いた話によると、1校時目はずっと「頭いたい、死んじゃうよ」と泣き続け、教室の片隅の畳コーナーに横になり、保健室から借りてきた毛布を掛けて休んでいたのだそうだ。
2校時目は昇平の大好きな算数で、頭痛もおさまってきたので起きて一緒に授業を受けたのだが、やがてまた具合が悪くなって畳コーナーへ。
すると、10時頃から本格的に眠ってしまったのだという。
これは、とても珍しいこと。何しろ、昇平は昼寝が大嫌いで、保育園でもほとんど寝たことがなかったのだ。よほどしんどかったのだろう。
その間、学級のお兄ちゃんたちは気を使って「休み時間だから外で遊んできていい?」と抜き足差し足で外に遊びに出ていったし、昇平のお気に入りのHお姉ちゃんは、心配してずっと昇平に付き添ってくれていたという。
きっちり1時間眠って目を覚ましたら、昇平はずいぶん元気になっていたらしい。
給食を食べたら、痰が絡んでいたのか、食べたものを吐いてしまったそうだが、そのあとはとても元気になって、デザートのヨーグルトもお代わりして食べようとしたほどだったという。
母が1時の下校時間に迎えに行ったときには、もうすっかり落ち着いていて、夕方には「お腹すいた」を連発し、夜は元気いっぱいに過ごしていた。
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そして、今朝。
目覚ましの音で起きてきた昇平、いつもどおりに着替えをし、朝食もよく食べ、さあ、学校へ行こうという時間になったとたん「頭いたい」がまた始まった。
昨日ほどひどくはないようだったが、やっぱり学校に着くと「頭いたいよ」の連発で、森村先生の膝につっぷしてしまった。
先生が『任せてもらって大丈夫ですよ』と目で合図してくれたので、そのまま母はそっと帰ってきたけれど。
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さてさて、入学式からここまで本当に順調すぎるくらい順調に来たわけだったけれど、やっぱり足踏みするときが来るんだな、と思っている。
仮病だなんて、決して思わない。病気で頭痛がしているわけでも、おそらく、ない。
昨日の午後の家庭訪問で森村先生も言っていたのだが、昇平は学校で本当によくがんばっているのだ。
学級のお兄ちゃんたちのすることをよく見て、学習時間には課題をやり遂げ、残った時間で自分の好きなことをし、協力学級ではまわりのお友だちをよく見て行動し、「こうするんだよ」と教えられたことには真面目に取り組み・・・。
ADHDを持つ子どもが、こんなふうにコントロールの効いた行動をとるのは、かなり大変なことだから、きっと、昇平も、見た目の何倍も何十倍も努力しながら、それらのことをやり遂げているんだろう。
GWで休みが続いたものだから、これまでの緊張が解けて、疲れが出てきたんだろうなぁ・・・。
とりあえず、明日からはまた学校が四連休になるので、昇平はゆっくり家で休ませようと思っている。
そのあと、またしばらく「頭いたい」が続くかもしれないけれど、先生と協力しながら、見守っていくつもり。
頭痛はするけれども、疲れてしまったりもするけれど、昇平は学校が大好きだし、がんばって一人前の”小学生”になりたいと思っているのだもの。
がんばろうとしている子には、「がんばらなくていいんだよ」と言うのではなく、「自分のペースでがんばっていいんだよ」と伝えてあげたいな、と思う。
[02/05/02(木) 11:54]