昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

3匹のやぎのがらがらどん

昨夜、布団に入って電気を消してから、昇平が「お話して。短いのでいいから。『がらがらどん』がいい」と言い出した。
児童館で絵本でも読んでもらったのか、最近、昇平は『さんびきのやぎのがらがらどん』のことを口にすることが多かった。でも、うちに『がらがらどん』の絵本はない。そこで、物語を思い出しながら、私が語って聞かせることにした。もちろん、言葉遣いとかはだいぶ違ってしまうけれど、寝物語のことだし、そのへんは大目に見てもらうことにして・・・。

「むかし、3匹ののやぎがいました。ちいさいやぎと、ちゅうくらいやぎと、おおきいやぎです。名前はみんな『がらがらどん』」
で物語は始まり、こんなことばで終わった。
「そして、3匹のやぎは山の上の牧場に行って、たくさんおいしい草を食べて、まるまると太りましたとさ。おしまい」

すると、昇平が言った。
「今度は昇平くんの番だよ。『がらがらどん』。えーーーっと・・・」
なんと、自分で『さんびきのやぎのがらがらどん』の話の続きを語り始めたのだ。

   ☆★☆★☆

さんびきのやぎのがらがらどんがいました。
おいしい草をたくさん食べてまるまると太ったので、小さいがらがらどんは中くらいのがらがらどんに、中くらいのがらがらどんは大きながらがらどんに、大きながらがらどんは、とーっても大きながらがらどんになりました。
あるひ、ちがうまきばに草を食べに行きました。
木の橋を中くらいのがらがらどんが渡っていくと、恐竜がでてきました。「こらー、だれだ。おれの橋をとんとんするのは」
「ちゅうくらいのやぎのがらがらどんです。あとから大きいやぎが・・・うにゃむにゃ(何かいっているけれど、よく聞き取れない)」
「よし、さっさと行け」
大きいやぎが来ました。
「こらー・・・うにゃむにゃ、うにゃむにゃ」
「あとからー、あとからー、すごーく大きなやぎがー来ますー・・・」
「よし、行けー」
すると、すごーく大きながらがらどんがやってきました。えーいっ、どかーん、びゅーん、がりがり、ばりーん・・・恐竜をやっつけて落っことしてしまいました。
さんびきのやぎはまきばへ行って、おいしい草をたくさん食べて、大きなやぎと、すごく大きなやぎと、ちょーでっかい!やぎになりました。おしまい。

   ☆★☆★☆

おもしろいなぁ! と母は感心してしまった。
ちゃんと物語になっているし、オチもついている。なるほど、あの3匹のやぎだったら、こんなふうにどんどん太って大きくなっていくかもしれない。
昇平に起承転結を作る力が伸びてきたのを感じて、すごくすごく嬉しかった。

   ☆★☆★☆

とはいえ、相変わらずのところは相変わらずの昇平。
学校ではトイレが間に合わなくておもらししてしまった。
週末だというのに、学校から上ズックを持ち帰るのを忘れてきた。
学校での様子を聞いても、ろくに話さない。
お風呂に入ると、自分で体を洗わないで、遊んでばかりいる。
寝る前には「まだ寝ない」「もっと本を読む」とごねていた。(それで電気を消して寝物語をすることになった)

そういった「できないこと」に注目してため息をつくか。それはそれとして、『がらがらどん』のお話を聞かせてくれたことに感動したように、「できるようになったこと」を喜ぶか。
その選択は、親の方に任されているのだと思う。

どちらのやり方で子どもと接するかは、その親の自由だけれど、私としては、できるようになったことに感動したり喜んだりしながらいく方が、絶対に好きだなぁ。
だって、その方が、人生楽しいもんね。

[02/06/01(土) 07:15]

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