昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

犬の巣

昇平は最近、動物がお気に入り。
その中でも特に犬に興味があるようで、日曜日に行ったどうぶつ王国で仔犬を眺めたり、おっかなびっくり犬をなでたりしたのは、前回の日記にも書いたとおり。
それと前後するように、犬の絵を描くことも増えてきた。
初めはブロックを組み立てたような、ポリゴン的な犬だったのだが、だんだんふっくらしてきて、いかにも子どもが描く犬らしい姿になってきた。

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どうぶつ村で犬を見てきた翌日、パソコンを使って昇平はこんなものを描いていた。
「ボスの生まれた日」

ボスという名の犬が生まれてくる様子なのだそうだが、地面の上に犬がいて、地面の中にはアリの巣のようなものが描かれている。それが犬の巣なのだそうだ。
ふーん、面白いことを考えるなぁ、と思いながら絵を眺めると、巣の中の部屋に大中小のカラフルな丸がいくつも描かれている。
「これなぁに? エサなの?」と一番小さな丸を指さして聞くと、「ちがう。犬の卵だよ」という答え。

はぁ? 犬の卵??

すると、昇平、中くらいの丸が描かれた部屋を指さして「これがね、犬の幼虫」。

い、犬の幼虫〜???

一番大きな丸は何かと思ったら「犬の成虫」だそうだ。
そして、そこから犬の姿になって出てくるのだと言うから、「成虫」は正しくは「さなぎ」という意味らしい。
うーむ、なるほど。そうやって犬の「ボス」が誕生してきたわけね。(^o^A

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子どもの発想は、本当にユニークで面白い。
どうぶつ王国では、たしかに仔犬を見てきたし、たくさんの成犬も見てきたけれど、それらがどんなふうに生まれてくるかまでは見ることができなかったし、犬の巣(笑)も見ることはできなかった。
そこに広がっていたのは、広い広い緑の草原と青い空。その広大な自然の下に犬の巣があるんじゃないか、と昇平は考えたのかもしれない。
もちろん、何かの本で見たアリの巣のイメージが、多分に影響を及ぼしているけれど。

「違うよ、犬は卵や幼虫から生まれてくるんじゃないよ」とことばで教えてしまうのは簡単なことだ。
でも、私はあえて、そうしたくはなかった。
昇平が正しい答えを知る日は近い。だからこそ、自分で「こうじゃないかな?」と考えた、その気持ちを大切にしてやりたかったのだ。

事実、その2日前には、彼はこんな絵を描いていた。
自作の絵本の1ページなのだが、こんなことが書かれている。

「まるくんと にいさんは かあさんにうまれました。
 そのあさー
 あったかいいなあ (あったかいなあ、の意味らしい)」

この絵では、ちゃんと2匹の仔犬が母犬のお腹の中に描かれている。
仔犬が母犬のお腹で育って生まれてくるのも、イメージとして知っているのだ。
おそらく、こちらは絵本か何かで見た場面を思い出して描いているのだろう
そして、お腹の中で育つ仔犬と、アリのように卵から幼虫、さなぎを経て誕生してくる犬と、どちらが正しいんだろう、と自分なりに考えているところなのだろう。
考える過程は大切にしてやりたいと思っている。

それにしても・・・・・・。

長いことお絵かきといえば「星のカービィ」か、ゲームの1シーンや迷路しか描かなかった昇平が、犬の絵を描くようになってきたのだから、すごい進歩だよねぇ。
絵に文字を添えて、絵本まで書いているし。
小学生になって、また一段と成長してきたようで、本当に嬉しい限りだわ。(*^_^*)

【参考】

「ボスが生まれた日

「犬の絵本」

[02/06/20(木) 12:41]

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