昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

校長先生・教頭先生 〜学校管理職〜

昇平の小学校の校長先生は、今年赴任していらしたばかり。
子どもたちとできるだけふれあおうと考えていらっしゃるようで、4月から学校の坂の下の交差点に、自ら黄色い旗をもって交通安全に立ち、子どもたちがあらかた通り過ぎると、今度は学校の昇降口の前に立って、登校してくる子どもたちに声をかけている。それも、ただ「おはよう」と言うだけでなく、子どもの顔を見ながら、いろいろなことを話しかけておられる。
4月当初だけなのかと思って見ていたら、5月になっても、6月に入ってもそれが続いている。
初めは校長先生に話しかけられてとまどったような様子を見せていた子どもたちも、最近では慣れてきて、楽しそうに校長先生と話す姿も見られるようになってきた。

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さて、昇平は先日どうぶつ王国へ行ったとき、土産物屋で「おみくじキーホルダー」というのを買い、自分のランドセルに下げた。
今までアクセサリーをカバンにつける、ということをしなかった子なので、おそらく児童館などで他のお友だちがやっているのを見て、自分も真似したくなったのだろう。
しかも、彼は大のおみくじ好き。(笑) キーホルダーの小さなおみくじ箱を逆さに降ると、中から金色のおみくじ棒が出てくるのだが、漢字で書かれた「大吉」「中吉」「吉」「凶」はちゃんと読めるし、その意味も分かっている。

初めてそれをつけて登校した日、昇平は誰かにそれを引かせたくてたまらなかった。
昇降口の前には、黄色い旗をもって子どもたちに声をかけて下さっている校長先生。
「ほら、校長先生だよ。おはようを言おうね」と私が声をかけると、昇平は、まっすぐ校長先生に向かって走っていって「校長先生、おはよー! 校長先生、おみくじ引いて!!」

うひゃ〜☆ ま、まさか校長先生にそれを言うとは・・・!
私が冷や汗をかいて駆け寄ろうとすると、校長先生、大きな声で「おっ、おみくじか? どれどれ〜!」と昇平のキーホルダーに手をかけてくださった。
何しろ小さなものなので、なかなかおみくじ棒が出てこなかったのだが、何度か振って、やっと出てきた。
素早くそれを読み上げる昇平。「凶だよ」
「凶か〜〜〜」とずっこけて見せてくださる校長先生。
昇平は、ものすごく満足した顔になって昇降口へ走っていった。

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そこから2日ほどたった昨日の朝、また昇降口で校長先生と一緒になった。
「おはようございまーす!」と昇平が元気に挨拶をすると、「おっ、元気だなぁ!」と声をかけて下さってから、「どれ、おみくじをやらせてごらん」と校長先生の方から言って下さった。
昇平「いいよー」とまた嬉しそうな顔。
今度はおみくじ棒はすぐ出てきたけれど、小さな文字がなかなか読めない。すると、昇平、素早くランドセルを下ろした。校長先生に読みやすくしてあげようと考えたらしい。・・・実際にそれで読みやすくなったかどうかは疑問だけれど(笑)。
今度出てきたのは「吉」。眼鏡を外してそれを読んだ校長先生、「小さな文字は見えにくくてね〜」と私にも笑って見せて下さった。

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昨日の午後、お迎えに行くと、1年生の教室ではお帰りの会の真っ最中。そのなかの一クラスを教頭先生が受け持っておられた。
担任が出張か何かだったので、代わりに入られたらしい。
黒板の前の机のところに座り、小さな1年生に合わせるように、いっぱいに前屈みになりながら子どもたちに話しかけている姿が見えた。
校長先生も、教頭先生も、どちらも子どもたちの視線で話をして下さるなぁ・・・と、ものすごく嬉しかった。

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どんなに担任が理解ある良い先生でも、管理職にあたる校長先生や教頭先生に理解がないと、ADHDなどの発達障害児たちやその親たちは苦労をするし、担任も苦労をする、というのが、我々親の間では半ば常識になっている。
昇平の通っているゆめがおか学級は本当に素晴らしいところだけれど、その後ろには、ちゃんと理解ある管理職がいて、しっかりと学級を支えて下さっているのだ。
バックボーンがしっかりしているから、担任も心おきなく子どもたちの指導に力を注げる。
それが子どもたちの明るく生き生きした笑顔を生んでいるのだ。

この学校に情緒障害児学級ができたのは2年前だけれど、その時にいらした前任の校長先生も、きっと理解のある方だったのに違いない。
こういう小学校に巡り会いたいと願いながらも、なかなかかなわないでいる親子は多いのに、初めからそこに通えている昇平は、本当に幸せ者だと思う・・・。

どうか、こんなふうに理解のある学校管理職が、全国にどんどん増えていってくれますように!!

[02/06/21(金) 12:46]

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