昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

ままごと遊び

昨夜、昇平が突然「ままごとをやる」と言いだして、隣の部屋から段ボール箱いっぱいのままごと道具を運んできた。(我が家は男の子しかいないが、長男の頃からままごと道具はずっとおもちゃの定番に入れてある)
部屋の中にざーっとぶちまけて、なにやらひとりでつぶやきながら、熱心にお料理のまねごと。
でも、私は洗濯物をたたんでしまわなくてはならなかったので、昇平をそのままにして隣室で仕事をしていた。

すると、15分ほどして、昇平がニコニコしながら呼びに来た。
「ごちそうができたよ。見に来てください」
行ってみると、部屋のテーブルの上に、所狭しと並べられたお料理の数々。
サンドイッチ、ハンバーガー、小さな重箱一杯の野菜や肉、小鍋(使わなくなった本物のミルクパン)の中にも野菜と肉・・・これはシチューのつもりなんだろう。

お風呂に入る時間なので「もうお風呂だよ」と声をかけると「ちょっと待ってくださ〜い。これをテーブルに並べてからね」と言いながら、部屋の隅から折り畳みテーブルを出してきて広げ、せっせとその上に料理を移し始めた。
料理の他に、ブロックで作った缶ジュースや、お茶道具も並べ、フォークやスプーンのカテラリーもそろえた。それも二人分。
「お母さん、そっちに座って」「いっただっきまーす!」「ぱくぱくぱく・・・ああ、おいしい」。

   ☆★☆★☆

満足そうに料理を食べるまねごとをする昇平を見ながら、私は内心、ものすごく驚いていた。
昇平が、母の助けなしでままごとを最後までやり通した!
ちゃんとままごと本来の遊び方をして楽しんでいる!

今までも、昇平は母と一緒に何度もままごとをしていた。
でも、途中で気が散ってしまうことが多くて、なかなか最後までやりとおせない。
せっせとテーブルの上に食べ物はそろえるのだが、それだけで満足してしまって、肝心の「食べる遊び」の部分が抜けることも多かった。母がお客様になって料理が出来上がるのを待っていても、そのマイペースは変わらなかった。
ままごとは、基本的に人と人とで料理や食事のまねごとをして楽しむ遊びだと思うのだが、昇平の場合、どうもその基本的な楽しみ方が十分にできているとは思えなかったのだ。

ところが、昨夜の昇平のは、どこをとっても立派な「ままごと遊び」。
本人はまるで、ずっと昔からそうやって遊んでいたような顔をしていたけれど、実際には、生まれて初めて、自分ひとりの力で、まともなままごとをやっていたのだ。
成長したんだな〜・・・と母は感無量だった。

   ☆★☆★☆

今、昇平の中では何かが急速に成長している。
目には見えない耳でも聞こえない、でも、人と人との関わりの中で現れてくる、とても大切な何かが、確実に彼の中で大きく伸びてきているのだと思う。

[02/06/29(土) 05:38]

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