昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
お絵かきソフト
昇平は今、パソコンの子供用お絵かきソフト『キッドピクススタジオ2001』というのに夢中になっている。
そもそもは、今使っているパソコンにお試し版『キッドピクス』がついてきていて、それでずいぶん長いこと遊んでいたのだが、お試し版は機能制限があるし、作った画像の保存もできない。
それでも我慢させて使わせていたのだが、先月、とうとう昇平自身が「もっとたくさん使えるキッドピクスがほしい!」と言い出したのだ。
最近、新しいゲームや本も買ってやっていなかったからいいか〜、と思い、さっそくネットで調べてみたら、最新版の『キッドピクス』が出ていた。・・・が、WINDOWS98以上でないと使えない。
うちはいまだに95。ソフトショップを覗いても、やはり最新版しか売っていない。
では、というので、ネットを検索して、通信販売で、無事WIN95でも使える『キッドピクススタジオ2001』を手に入れたのだった。
念願のソフトが使えるようになって、昇平が喜んだの喜ばないの!
毎日、母がパソコンを使い終わるのを待って、いそいそとパソコンに向かい、熱心にモニターを見つめながらマウスを動かしている。
ソフトには動画やスタンプ、画面に変化を付けるなどの面白い機能がたくさん付いているのだが、それを片っ端から試しては、いつのまにかマスターしていく。
一昨日は、パン食い競争のようにつり下げられてくるくる回る骨に向かって、カービィがジャンプしている「ほねほねジャンプ」というアニメーションまで作っていた。
ファイル形式が合わないので、ホームページでご紹介できないのが残念!
しかし、彼のこの探求心というものには、ときどき本当に感心させられてしまう。
はっきり言って、母はアニメーションの作り方がわからない。
でも、昇平は何も説明されなくても、モニター上のアイコンを手がかりに、あれやこれや試して理解して行くし、最近では自分でユーザーズガイドを読みながら絵を描くようにもなってきた。
母を呼ぶのは、自分で納得のいく作品ができたときに、見て誉めてもらいたいときと、完成した作品を保存して欲しいときだけ。
本当に、自分のやりたいことは自分でやる、という感じで、「たくましいヤツだな〜」と感心してしまう。
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この点、長男のほうはまったくタイプが違っていた。
彼は物事のやりかたがしっかり理解できるまでは手を出さない。
試しにやってみたとしても、ちょっと思い通りに行かなかったりすると、すぐに怖くなって手を引っ込めてしまう。
下手でもいい、失敗してもいい、思うようにやってみよう、という冒険心が弱い。
そのかわり、こうしなくちゃいけない、ということには、基本を忠実に守りながら熱心に取り組むので、そういうことは非常に上手になっていく。
今、お兄ちゃんは部活動で卓球に夢中だけれど、たった2ヶ月の間にかなり上達したらしい。これはこれで彼の強みかな、と思ったりする。
それに対して、昇平のほうは、まず「やってみたい」「やりたい」という気持ちのほうが先に立つ。
やりたいことがあるから、「どうやったらそれができるだろう」と考えるし、「こうしてみよう」「ああしてみよう」といろいろ試すうちに、思いがけないヒットが生まれたりする。
基本なんて知ったこっちゃない、人の説明もよく聞かない。でも、自分でやりたいと思ったことは他人を頼らずにやってみようとする。そして、好きなことにはとことんのめり込む。
昇平のほうはパイオニア(開拓者)なんだなぁ、とつくづく思う。
危なっかしいところも多々あるけれど、うまく行ったときには、とてつもなく面白いものが生まれてきそうな、そんな予感がしている。
この面白さは、やはり、ADHDのある人に備わった魅力なんだろうなぁ、と思う。
基本に忠実に、地道に堅実に生きるお兄ちゃんの生き方も、安心して見ていられて良いけれど、先がどうなるかわからない、ワクワクした楽しみというのは、やはり昇平のほうが格段に上。
堅実でリスクを犯さない人たちばかりだったら、今の社会、こんなに発展もしてこなかっただろう。
長い人類の歴史の中では、きっと、数え切れないくらいのADHD者たちが、見えない部分でたくさん貢献してきたんだろうなぁ。
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ちなみに、タイプのまったく違う二人の息子たちの親である、私たち夫婦はどうなのか。
旦那は間違いなく、お兄ちゃんのタイプ。石橋を叩いても渡らないくらいの慎重派。
そのかわり、苦労や努力をいとわない真面目さと誠実さがある。
一方の私は、ご存じの通り、やりたいことにはとことんのめり込んでしまう熱中派。
しっかりしているようで抜けている部分も多々あるし、おっちょこちょいな失敗もしょっちゅうしている。
・・・間違いなく、昇平は私に似たんだわ!(笑)
[02/07/01(月) 11:17]