昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
質問責め
最近、昇平は質問が多い。
昨日の夜は特に質問したい日だったようで、夕食を食べながら、次から次へと疑問を口にしていた。
「子持ちシシャモの”子持ち”ってなに?」
「ナタネ油のナタネって、なに? ・・・菜の花の種? 種から油がとれるの? じゃ、オリーブオイルは何からとれるの? ゴマ油は?」
「”以下同文”って、どういうこと?」
「クワガタムシを一緒にしておくとケンカしちゃうの? クワガタムシとカブトムシだとケンカしない?」
「”やなかんじ〜”って、どういう感じ?」(アニメの「ポケモン」を思い出していたらしい)
「ガラスは壊れるけど、金属は壊れないの?」
エトセトラ、エトセトラ・・・。
それをひとつひとつ、本人にわかるようなことばで説明するのが、また大変。
しかも、ひとつ納得したかと思うと、すぐにまた別の疑問が湧いてくるようで、本当にもうひっきりなし。
食べることよりも質問していることのほうが多かったかもしれない。(苦笑)
食後にもまた質問。
さけるチーズを食べながら「”さける”って、どういうこと?」
そこで私は「食べてごらん」と答えた。
昇平がチーズを手で裂いて食べようとしたところで、すかさず「それが”さける”だよ」と教えると、昇平、今度は「”スモーク”って、何?」
あう〜・・・。(^〜^;)
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昇平は話し始めるのがかなり遅かったし、話し始めても、なかなかまとまった会話には発展しなかった。
自分の周囲の出来事に対する関心も薄くて、いつも自分の興味のあることだけに熱中しているタイプだった。
話しかけられても返事をするのはまれだったし、質問されても答えられないし。
でも、最近になってようやく、身の回りの出来事に目がいくようになってきた。
だから、いろんなことが不思議に思えて、次々と疑問が浮かんでくる。
外の世界に関心が高まってきたのだ。
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今、昇平はクワガタムシを飼っている。
夜、家の中に飛び込んできたのをおじーちゃんが捕まえてくれたもの。
このあたりは果樹園が多いので、クワガタやカブトムシが結構たくさんいるのだ。
去年も同じようにクワガタを飼ったのだが、昇平がぜんぜん興味を持たないので、すぐに放してしまった。お兄ちゃんはもともと生き物を飼う趣味はないし。
ところが今年、昇平はクワガタムシをとても興味を持って眺めている。
これは飽きずに観察していきそうだと思ったので、一昨日、ホームセンターで小さな飼育箱と専用の土と餌を買ってきた。今までコーヒー瓶に入れられていたクワガタは、待遇が良くなって喜んでいることだろう(笑)。
昇平は、私と一緒になって、熱心に飼育箱を準備した。
これも外界への興味が高まってきた証拠だと思う。
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外の世界への関心が高まる、ということは、外の出来事の理屈が分かり始める証拠だし、他の人たちとのつながりが濃くなり始める予兆でもある。
待って、待って、待ち続けた、外と関わる心。
それがようやく動き始めたのだと思うと、とても嬉しい。
たとえ質問責めにされたって、やっぱり嬉しい。(笑)
[02/07/03(水) 14:01]