昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
ラジオ体操
夏休みに入ってから1週間が過ぎた。
その間、地元の子供会ではラジオ体操があったので、昇平もそこにまぜてもらって参加していた。
毎朝6時15分から20分の間に起きて、大急ぎで着替えをして、ラジオ体操の会場になっている近所の駐車場へ。
ラジオ体操のカードは子供会単位で配られていたので、子供会に所属していない昇平にはなかった。ので、パソコンでちょいちょいと作成したカードに紐をつけて持たせた。
1週間、母と一緒に会場へ。
初め、子供会の子どもたちも役員のお父さんお母さんたちも、私たちに少し遠慮するようなところがあった。
障害があって越境通学している子どもとその親。
お兄ちゃんの時から一緒だった顔見知りではあるけれど、今はちょっと状況が違っているから、どう声かけしていいのか分からない。そんな感じ。
子どもたちの方はもっと分かりやすくて、『あれ〜、見たことない子が混ざっているな。この子、どこの子だろう』と考えていた。でも、ラジオ体操には就学前の幼児も混ざってきたりするから、そんなひとりかな、と考えているのも分かった。(笑)
でも、こっちは当然のような顔をしながら「おはようございまーす! お世話になりまーす!」と積極的に入っていった。
「この子いくつなの?」と聞いてくる子には、「小学1年生。隣の小学校のゆめがおか学級に行っているんだよ」と正直に教えた。
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ラジオ体操そのものは、カードを集めて判を押してまた子どもたちに返す時間も含めて、10分程度で終わってしまう。
それでも、そうやって毎朝顔を合わせているうちに、だんだん皆の反応が変わってくるのが分かった。
私たちがいて、当たり前という感じ。
子供会の旅行も近くて、役員の人たちはラジオ体操が終わるとその打ち合わせなどもしていたが、初めは、参加できない私たちに遠慮するように話をしていたのが、最後には全然気にしないでくれるようになった。
こっちも、「今回は参加できないけど、来年は旅行に混ぜてね〜♪」と言っておいたし。
先日、犬を触らせてもらいに行ったSさんの兄弟もラジオ体操に参加していたが、遊びに行った翌日、お兄ちゃんのほうが話しかけてきた。「昇平くん、隣小学校に行っているんでしょう。(昇平くんに)わかるように勉強を教えてもらっているんだよね」
「そうだよ」と答えながら、私はものすごく嬉しかった。やっぱり、こんなふうに地元に関わっていけばいいんだ、と証明してもらったように感じられて。
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最終日の土曜日、体操の後、通学路にあたる道路のゴミ拾いをして、ごほうびのお菓子をもらって、ラジオ体操は終了になった。
昇平もちゃんと一緒に歩いて、タバコの吸い殻やゴミを拾ってはビニール袋に入れていった。
お菓子の袋をもらったときには、とても満足そうな顔だった。
朝の苦手な昇平だけど、ラジオ体操の期間だけは、声をかけるとちゃんと起きてきて、文句も言わずに着替えをして会場に急いだ。
体操も、皆のように上手にはできないので本当はあまり好きではないのだが、それでもちゃんと体を動かして真似していた。
自分でこうする、と決めたときにはやり通すことができるくらい、がんばる心が育ってきたのだ。
だから、自分でもやり通したという実感があったのだろうと思う。
それだけ成長してきたんだな、と思うと母も嬉しかった。
「お世話になりました」と言って家に帰ろうとしたとき、役員のお母さんのひとりが大きな声で言ってくれた。
「また来年、一緒にやろうねー!」
はぁい、また来年もお世話になりまーす。
今度は、子供会の旅行にもぜひ混ぜてくださいねー。
とても良い夏休みのラジオ体操だった。
[02/07/28(日) 07:18]