昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
おもらし・2
この週末、昇平はかなり落ちついた生活を過ごしていた。
特に大きなイベントもなかったし、三連休だったから、余裕があったのかもしれない。
月曜日は、とうとう、一度もおもらしの失敗がなかった。
「今日はまだ一度も失敗してないよ。このまま夜寝るまでがんばろうね」と声をかけたら、「うん」と張り切って頷き、本当に寝るまでがんばり通した。
「やったねー、本当におもらししなかったねー」と風呂に入るときに声をかけたら、「うん!」と今度はすごく嬉しそうな顔。
次の朝起きたときには、おねしょはしていたけれど(彼の発達から言って、おねしょがおさまるのは、まだもう少し先のことなので、夜は必ずオムツパンツをはかせている。)、布団をぬらすほどの大おねしょではなかった。
自分でそれに気がつくと「やった! おもらししてなかったよ!」とにっこりして、母が「じゃ、急いでおしっこしてこようね」と声かけすると、張り切ってトイレに走っていった。
ささやかだけれど、またひとつ大人になった昇平が見られて、とても嬉しかった。
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ところが、昨日の夜、母が仕事から帰ってきたとたん、昇平が「ウンチ、もらしちゃったー!」と言いながら階段を下りてきて、トイレに駆け込んでいった。
昇平は後始末がまだ完璧にはできないので、必ず母のチェックが必要になる。
母は、帰宅早々、昇平のトイレにつきあわされる羽目になった。
夕食後、お兄ちゃんが「数学の方程式がよく分からないから、教えて」と言ってきたので、お兄ちゃんの部屋で小一時間勉強を見てやった。
その間、昇平は2階の部屋でビデオを見たり、お絵かきしたり本を読んだりしていたのだが、たったそれだけの時間に、なんと3回もおもらしして、パンツとズボンを交換していた。
さすがに、これだけはっきりしていると、母にも分かる。
昇平は一人が寂しくて、母の気を引きたくて「おもらし」をしているのだ。
もちろん、それは無意識のうちの行動なのかもしれない。
寂しいな、つまらないな、と心が感じたとき、母を求める気持ちが起こったとき、反射的に「おもらし」が起きてしまうのかもしれない。
彼が意図的におもらししているわけではないだろう、と思っている。
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最近では、学校でもおもらしの回数が激減している。
学校に替えのパンツを持って行かせているのだが、気がついたら、担任の机の引き出しに替えパンツが4枚もたまっていてビックリ、なんてこともあった。(笑)
ところが、週に2回、母の仕事の日に行く児童館でだけは、到着するやいなや、おしっこを洩らしていて「もらしちゃいました。ごめんなさい。次からはもらさないように気をつけます」と、毎回、児童館の先生に言っているのだという。
これも、児童館で先生の顔を見たとたん、ほっと甘える気持ちが出て、それでおもらししてしまうのかな、と思ったりしている。
主治医のY先生の話だと、「児童館に行かされていることに、ささやかな抵抗をしているのかもしれませんね」ということで・・・うむむ、そういう可能性もあるか・・・(苦笑)。
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これまでの昇平のおもらしは、遊びなどに夢中になりすぎて、自分の尿意や便意に気がつけなかったり、気がついていても、今やっていることを中断したくなくてトイレを我慢するうちに、我慢の限界を越えて洩れてしまう、というのがパターンだった。あとどのくらいで洩れてしまうか、という感覚がつかみ切れていなかったこともある。
一種の生理的現象だったわけだが、ここに来て、どうやらそれが心理的な現象に変わってきたらしい。
何もかも、昇平の欲求のとおりにする、というわけにはいかない。
寂しくても児童館に行っていてもらわなければ、母は仕事ができない。母が働かなかったら、家計は火の車になってしまうし。(苦笑)
母がお兄ちゃんにつきっきりになる場面だって、どうしたって出てくる。
だから、我慢するべきときには我慢してもらうしかないのだけれど、でも・・・できれば、今よりもう少しだけ、昇平の気持ちに目が向けられるように気をつけてみようかな、と反省している母だったりする。
[02/10/16(水) 11:46]