昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

オセロ

木曜日の夕方のこと。

昇平はお兄ちゃんとオセロをやっていた。
二人がまともにオセロをするのは初めてのこと。最近、お兄ちゃんが昇平に囲碁を教えているので、その波及効果で、オセロもできるようになってきたらしい。
囲碁よりオセロの方が簡単なので、対戦は割とまともに行っているようだった。

と、お兄ちゃんが声を上げた。
「お母さん、昇平がオセロで勝ったよ!」
「やったぁー!!!」と昇平。とっても嬉しそうな顔。
おやおや、お兄ちゃん手加減してくれたんだね。と思っていたら
「ぼくは何もやってないんだ。昇平が自分で勝ったんだよ。ぼくはただ、コマをひっくり返す手伝いをしただけ」とお兄ちゃん。
ふーん。囲碁はお父さんとも並ぶほどの腕前になってきたお兄ちゃんだけれど、オセロはまた別物、ということなのね。

もう一回、とお兄ちゃんにねだられて、「いいよー」とご機嫌で応じる昇平。第二回戦、開始。
さすがにお兄ちゃんも今回は頑張ったので、お兄ちゃんの白石が圧倒的優勢で終盤を迎えた。
というところで、母は夕飯の支度に台所へ。
するとまもなく、またお兄ちゃんの声がした。
「おかぁさーん・・・見てよ!」
はて? 何事かと二階に見に行けば、オセロの盤上では昇平の黒石が逆転勝利をおさめていた。
「えーーーっ、どうしてあそこから逆転しちゃうわけぇ?」
「だって、ぼくはオセロは苦手なんだよ」とお兄ちゃん。
でも、実はそれほど悔しそうでもない。手抜きしたわけではないけれど、昇平がオセロで自分に勝ったのが、ちょっと嬉しい兄心らしい。(笑)
昇平の方は、もう本当にご機嫌。「ぼく、オセロ強いよ!」と飛び上がって喜んでいる。

しかし、お兄ちゃんはやはり負けず嫌い。昇平に再び雪辱戦を申し込んだ。
それから10分くらいして、今度は昇平の声。
「おかぁさーん、紙粘土で遊んでいいー?」
ああ、これは、と思ったら、お兄ちゃんの声もした。
「お母さん、やっと昇平に勝ったよ!!!」
声がマジで嬉しそうだぞ。(爆笑) おめでとう、お兄ちゃん。
一方、ついにお兄ちゃんに負けてしまった昇平は、その後は紙粘土制作に熱中していた。
まっ、このくらいが適当な体験だよね。(笑)

[02/10/19(土) 10:37]

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