昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

フリー参観・5

フリー参観のレポート、その5。

休み時間の後、3校時目の授業が始まった。
生活単元と称して、留守番中に電話がなったときの応対を考えることと、クリスマスツリーの飾り作り。

非常におもしろかったのは、電話の練習。
森村先生は「SSTもどき」と言っていたけれど、私の目からすれば、れっきとしたSST。(SST=ソーシャルスキルトレーニング。社会的に適切な行動のしかたを身につけるための訓練)
「みんなは自分のおうちで一人だけで留守番をしています。そこにお父さんに電話がかかってきました。でも、お父さんは会社に行っていていません。さあ、どうしましょう?」という森村先生の呼びかけで、電話ごっこが始まった。
森村先生が子どもたちに電話をかける。(実際に電話があるわけではなく、単純に受話器を持って話している真似。)「もしもし、○○さんのお宅でしょうか。お父さんはいらっしゃいますか?」
「今いません。会社に行ってます」と子どもが答える。
「ああ、そうですか。わかりました」・・・ガチャン☆ と森村先生が電話を切る。
それから、子どもたちの顔を見渡しながら「電話が切れちゃったけど、これでいいのかな?」と問いかける。
「ダメ」「いけない」子どもたちから答えが返ってくる。
「どうしてダメなのかな?」
「名前、聞かなかった」
「そうだね。名前を聞かなかったら、後でお父さんに話すとき、誰から電話があったのか教えられないよね」
それから、森村先生、皆の顔をもう一度見ながら「でもね、今の答えにも偉かったところはあるんだよ。お父さんは会社に行ってます、って言ったでしょう? お父さんの会社番号を知っている人だったら、そっちに電話してくれるかもしれないものね」
子どもの答えに、良いところを見つけて、しっかりほめてくれていた。

それから、次の人にまた電話。
「もしもし、△△さんのお宅ですか? お父さんはいらっしゃいますでしょうか」
「いません、会社です。えーっと・・・誰ですか?」
「私ですか? 森村ともうします」
「えっと・・・あとでかけます」
「あ、後で電話してもらえるんですか? ありがとうございます。お願いします」・・・ガチャン☆
森村先生、また皆を見回して「あれ〜? これでいいのかなぁ。このままだと、後でお父さんが困っちゃうような気がするんだけど・・・」
子どもたちが正解に気がついていけるように、上手に誘導している。
また上級生が気がついた。「電話番号、聞かなかった!」
「そうだね〜。もしも、お父さんがその人の電話番号を知らなかったら、電話をかけられないよね」
そこで、もう一度やり直し。
相手の名前を聞いて、電話番号を聞いて・・・「メモは準備できていますか?」と先生に聞かれて「はい、大丈夫です」と答える△△くん。うん、さすがだね。

次は、昇平の番。
案の定、相手の名前を聞き忘れて、先生にガチャン☆ と電話を切られ「あ〜、まってぇ〜!!」
再挑戦。
でも、今度もまた電話番号などが聞けなくて、やっぱりガチャン☆ 「あ〜、ダメェ〜〜〜!!!」必死で引き止めようと手を伸ばす昇平。
昇平には悪いけど、いやぁ、笑った笑った、おもしろかった!
昇平はまだ電話でしゃべること自体が難しいので、父への伝言を聞き取るというのは、もっと先の課題になるのだけれど、それでも、こんなふうに折に触れて練習させてもらえるのは、きっと将来役に立つに違いない。

ちなみに、この「SSTもどき」は、前の授業が次の時間に食い込んだときなどに、余った時間でやることが多いのだそうだ。「ことばと発達の学習室」のMさんが開発したSSTカードが登場することもあるらしい。

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クリスマスツリーの飾り作りは、子どもたちの大好きな制作。
ツリーにつけるものにどんな飾りがあるかは、前の時間に話し合っていたらしいので、即制作に突入。折り紙を折ったり切ったり、厚紙に貼ったり・・・。
各々、好きな色の星を作っては、「ほら〜、できたよ!」と見せ合っていた。
皆、夢中になって作っていたので、その後に予定されていたカレンダーの仕上げは、そっと別な時間に回されていた。(笑)授業の終了時間さえ、森村先生とまゆみ先生で打ち合わせて、10分延長された。
時間に融通がきくところも、森村学級の良いところだな。

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さて、この後いよいよ給食になるのだけれど、またまたスペースがなくなってしまいました。
次回、給食と昼休みの様子をレポートして、今回のフリー参観シリーズを終了しようと思います。

[02/12/02(月) 15:52]

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