昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
教頭先生
昨日の朝、昇平が登校したら、まゆみ先生が一枚のカードを手渡してくれた。
「昇平くん・・・これね、昇平くんの図書の貸し出し板だよ。昇平くんは本を読むのが大好きなのに、図書館から本が借りられないのは可哀想だ、って、教頭先生が昇平くんの貸し出し版を作ってくれたんだよ」
カードはB6版くらいの大きさで、昇平の名前と貸し出し用のバーコード、それに、昇平の大好きなカービィのイラストが何枚も貼ってあって、さらにラミネート加工までされていた。
昇平は大喜び。
「うわぁ〜〜〜!!!」と歓声を上げてカードを手に取り、「ニコニコニコ・・・ぼく、ニコニコになってるよ!」と言いながら、満面の笑顔で眺めていた。
森村学級では毎朝読書タイムがあるので、本を図書館に借りに行くのだが、1年生はまだ図書館が利用できないので、昇平は他の上級生に頼んで、自分の本も一緒に借りてもらっていたのだ。
でも、今日からはもう、堂々と自分の図書貸し出し板で本を借りることができる。しかも、昇平の大好きなカービィ絵柄の、特製カードで。
これはもう、嬉しくないはずがないよねぇ。(笑)
「教頭先生は、昨日半日かけて、パソコンでこれを作られたんですよ」とまゆみ先生がこっそり教えてくれた。カービィのイラストは、ホームページからダウンロードしたものらしい。きっと、昇平の顔を思い浮かべながら、一生懸命作って下さったんだろうな・・・・・・。
ありがたくて、嬉しくて、本当に涙が出そうになった。
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我が校の教頭先生は、LDを専門に勉強してきた方。
この町の2つの小学校に情緒障害児学級ができたのは、この先生のおかげなのだと聞いている。
決して偉ぶらない、決して担任の前に出てくるようなこともない。
でも、ゆめがおかの子どもたちの成長を担任と一緒に見守り、一緒に考えたり喜んだりして下さっている。
先日は、森村学級のHちゃんが教頭先生と「クリスマスツリーがあるといいな」と話をしたらしいのだが、その翌日には、教頭先生のお宅からお譲りのクリスマスツリーが教室に届いていた。
飾り付けをして、教室の棚の上に置かれている。
体育館には本物のもみの木のクリスマスツリーが飾られている。
これは、小学校の児童たちみんなへの、校長先生や教頭先生からのプレゼント。
校長先生も教頭先生も、子どもたち一人一人を、本当によく見て下さっている。
本当に、学校全体が暖かい。
それが嬉しい。
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恵まれた環境の中で、のびのびと学校生活を楽しみ、大きく成長している昇平。
あんたは本当に幸せ者だね、と母はつぶやく。
こういう学校がひとつでも増えていきますように。子どもたちを、本当の意味で良く育ててくれる先生たちが、一人でも増えますように。
そのために、この母ができることはなんだろう。
こうやって、学校の様子、障害児学級の様子をレポートして、世に伝えていくことだろうか。
そんなことを思いながら、今、パソコンに向かっている。
[02/12/19(木) 11:21]