昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

日常の風景・2 〜学校〜

昇平の小学校は8時10分から開始になる。
でも、支度に時間がかかるから、できるだけ7時50分くらいには到着することにしている。・・・いや、到着しようとがんばっている。・・・到着したいなと思うのだけれど・・・(笑)・・・前の「朝」の章に書いたとおり、早めに着くのは、とてもとても難しかったりする。
いつも8時近くに、ばたばたと学校に駆け込むことになる。

昇降口には、いつも校長先生が立っていて、登校してくる子供たちに声をかけて下さっている。
昇平にも、もちろん声をかけて下さる。
昇平は「おはようございまーす」と元気にあいさつすることもあるけれど、たいていは、小さな声のあいさつになってしまう。
校長先生だけでなく、他の人にあいさつするときにも、それまでは元気にいろいろ話していたのに、急に視線が逃げて声が小さくなってしまうことは多い。
その場面だけ切り取ってみると、まるでコミュニケーション嫌いな子どものように見えるかもしれない。
それだけ、本人にとって、あいさつすると言うことは、緊張度の高い行動らしいのだ。

ことばが遅れているので、「話す」という行動そのものに苦手意識を持っているからかもしれない。
本人は何も言わないけれど、自分が他の子たちのように上手には話せないということは、しっかり分かってしまっているのだ。
あいさつは相手とのタイミングを合わせる行動だから、そこが難しいと感じているのかもしれない。
こちらが元気にあいさつするつもりで近寄ったら、相手に先に大きな声で「おはよう!」と言われて、タイミングが狂って「おはよう」が言えなくなる、なんてこともしばしば・・・(苦笑)

でも、これは何度も繰り返して慣れていくしかないことなんだよね。
母は「ほら、○○さんだよ。おはようを言おうね」と声をかけたり、はっきり言えたときには「大きな声でご挨拶できたね。エライね」と誉めるようにしている。

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そう言えば、車を降りて教室にはいるまでの間、帽子をまぶかにかぶっていた時期があった。
前も見えないくらい、帽子のつばを引き下げて。
そうやって、押し寄せてくる大量で雑多な視覚情報を制限していたらしいのだ。

ところが、最近はそれほどつばを引き下げなくなった。帽子をかぶるのを面倒がって、手に持ったまま廊下を走っていくこともある。いろんな場面で、学校に「慣れてきた」のが見えているのだけれど、帽子のかぶり方ひとつにしても、それが分かって面白い。

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私は「夢が丘学級」の中までついていく。
昇平が荷物を下ろして机やロッカーにしまい、着替えが終わるまでを見届けて、それから家に戻るようにしていた。
家での着替えと同様、ちょっとしたことで気が散って、着替えが進まなくなるからだ。

が、最近、気がついた。
昇平は、母がそばにいるときの方が、ぐずぐずしていて着替えが進まないのだ。
予鈴の音楽が鳴り出して、母が教室を出ていくと、あわてててきぱきと着替え出すことも多いらしい。
つまり、こういうことだったらしい。

「母にできるだけ長くそばにいて欲しい」→「着替えがなかなか終わらない」→「母がそばに残っている」

これじゃ、母がそばにいればいるほど、着替えが遅くなるわけだ。(苦笑)
というわけで、2日ほど前から、母は昇平が机に荷物を置いて準備を始めたら、そこで帰ってくることにした。
母がいればすべて良い、というわけじゃないんだよねぇ〜。ちょっと反省しました。(笑)

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その後の学校での様子は、母には分からない。
でも、連絡帳などによれば、本人なりにいろいろがんばったり、周囲のお兄ちゃん、お姉ちゃんたちから学んだり、先生のお話を聞いてそれを取り入れたり・・・しているらしい。
同学年のお友達との関わりも徐々に増えてきたけれど、その分、トラブルことも増えてきたので、先生も親もSST(お友達と仲良くするにはどうやったらいいかのトレーニング)の必要性を感じてきている。

もうじき昇平も2年生。
今年一年間の経験を元に、きっとまた一段と成長して行くんだろうな。
お友達との関わりも、また広がってくることだろう。
不安がないと言えば嘘だけど、それ以上に楽しみな気持ちが多い母なのだ。

学校って、本当に良いね。
ね、昇平。(*^_^*)

[03/02/16(日) 12:58]

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