昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
金魚
お祭りの金魚すくいで捕ってきた金魚が、相次いで2匹とも死んでしまった。
1匹目は祭りの翌朝、もう1匹は今朝。
先のは綿かぶり病(水カビ病)だったようで、もう一匹も感染。薬を入れたら水カビはなくなったけれど、やっぱり助からなかった。春先でまだ水温が低かったし、金魚用のヒーターもなかったしねぇ。
昇平は、1匹目が死んだときには、もう1匹いるから、と考えたようで、金魚鉢に「きんきん♂」と書いたシールを貼りつけ、エサをやり、夜には鉢をのぞき込んで「きんきん、おやすみー」と挨拶までして寝ていた。
今朝も起きて真っ先に金魚鉢をのぞき込んだのだけれど、きんきんが昨夜とまったく同じ場所で動かないでいるのを見て(作り物の水草の間にはまりこんでいた)「きんきん、死んじゃったよ!」と報告してきた。
でも、泣いたり、騒いだりということはなかった。
母が「きんきんをお墓に埋めてあげようね」というと、昇平は一種独特の反応のしかたをした。
一瞬黙り込み、「お墓に埋める?」と聞き直してきたのだ。
おそらく、つい先日の大叔父の死を思い出したのだろう。
先の金魚を埋めた場所の隣にきんきんを埋めて、上に小さな小さな石を並べてお墓を作った。
昇平は、ちょうど別のことに夢中で、墓を作る場面には立ち会わなかったけれど、あとからやってきて、「お墓はどこ?」と確かめ、石にサインペンで「きんきんのはか」と母に書かせ、小さな花を手向けていた。
それから、母と「暖かくなったらまた金魚を飼おうね」と約束をした。
☆★☆★☆
小さな小さな2匹の金魚。
でも、2匹は昇平の心の中に何かを残していった。
昇平、7歳。
彼は今、確実に変わり始めている。
[03/03/23(日) 13:52]