昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

クラス替え

昇平の学年でクラス替えがあった。
本来なら、1年生から2年生になるときにはクラスがそのまま持ち上がりになるのだが、この1年間に転校生があったために人数が減り、クラスがひとつ減ることになってしまったのだ。4クラスあったのが今度は3クラスになる。

昇平は障害児学級だからクラス替えはないが、協力学級と呼ばれる交流級が変わることになる。
4月1日付でクラス割りが発表になるというので、学校まで見に行った。・・・4月4日の今日に・・・だって、バタバタしていたら見に行くのを忘れちゃっていたんだもの・・・(苦笑)

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さて、昇平にとっては初めてのクラス替え。
イメージが分からないかも、と思って、前の日から詳しく説明しておいた。
2年生になるとクラスがひとつ減ること。クラスのお友だちも変わること。担任の先生は、変わるかもしれないし、変わらないかもしれないこと。2年何組になるか、誰が一緒のクラスになるか、明日見に行くこと。

昇平は黙って聞いていた。納得したように見えた。
ところが、その直後から、昇平の態度が落ちつかなくなった。
夜寝るとき、お話を終えてとろとろ眠りかけたら、突然「こわいよ!」と叫んだ。「こわい夢を見そうになったの」と。
大丈夫だよ、お母さんはそばにいるから安心して寝なさい。と寝かしつけると、また寝入りそうになった瞬間に「こわい!」と言ってしがみついてくる。それが計3回ほどあった。

朝食の席で、今日の予定を昇平に伝えた。11時頃に買い物に行くから、そのついでに学校に回って、クラス分けの表を見てこようね。
すると、またその直後から昇平が落ちつかなくなった。手や身体がひっきりなしに動いて、椅子に落ちついて座っていられない。
「ものすごくどきどきしてるの?」と聞いてみると、そうだ、とも、違う、とも返事がなかった。
もし本当に違っていれば、昇平ははっきりと「ちがうよ」「そうじゃないよ」と返事をしてくる。
でも、その時の彼は、物思うような深い目をして、落ちつかない様子でただ黙っている。
口に出しては言わないけれど、クラス替えがとても不安なのに違いなかった。

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11時過ぎ、車で学校に行って、昇降口に張り出されたクラス名簿を眺めた。
昇平くんは今度は何組かな・・・?
「あった! 1組だよ!」と昇平が声を上げた。
自分の名前があって嬉しそう。
もしかして、クラス替えになったら自分のクラスがなくなるんじゃないかと心配していたのかもしれない。

同じクラスになる子たちの名前をずっと見ていった。
あら、S.Kちゃんが一緒だよ。S.Oちゃんも、C.Fちゃんも・・・わぁ、保育園から一緒で、昇平くんのことをよく知っている女の子たちがたくさんいる。
よかったねぇ。また児童館にも一緒に行けるね。
お友だちの名前がたくさんあったので、昇平もホッとしたらしい。「もう行こう。早く帰ろうよ」とさっそくせかす。
ホントにキミはぁ〜・・・・・・(苦笑)

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クラス名簿を見ただけで、学校側が昇平のフォローを考えてくれたのがすぐ分かった。
担任まで変わるのかどうか、そこは4月7日にならないと分からないが、少なくとも、昇平がどういう子か、困った場面をどうすれば昇平がうまく乗り切れるか、そのあたりをよく心得ている子たちが何人もクラスにいることは、本当に心強い。
これまで保育園や1年生の時代に築いてきた人間関係が大きな力になっている。
そして、その後ろには、理解あった先生たちの見えない力が・・・。

クラス替えは子どもにとって大きな体験だけれど、昇平は、たくさんのお友だちに支えられて、きっと乗り越えられるだろう。
ゆめがおかには森村先生という、とても頼りになる先生も控えてくれているし。

みんなに支えられながら、もうじき昇平は2年生になる。

[03/04/04(金) 13:51]

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