昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

火事

朝、子どもたちが登校を終えた8時過ぎ、学校のすぐ目の前の家から火が出ました。朝火事です。
風は西風。真っ黒な煙がたち上り、小学校にまともに流れてきます。
ちょうど昇平を教室に送って帰ろうとしていた私、もしかしたら学校から子どもたちが避難するかもしれない、と思い、そのまま残って様子を見守っていました。

火事は、火もとの家を全焼し、隣の家2軒の一部を焼いて、約2時間後に鎮火しました。
消火活動のために車を出せなかった私は、なんとか車が通れるようになったので、とにもかくにも学校が無事で良かった、と思いながら帰宅しました。

以下は、午後に昇平を迎えに行ったときの話です。

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「火事、びっくりしたね。大丈夫だった?」
と私が聞くと、昇平が「ぼく、出ちゃった」と言う。
何が出ちゃったのかもっと詳しく聞くと、「一度教室から出ちゃって、森村先生に怒られたの」。
ははぁ。火事がひどかった間、子どもたちは緊急避難の準備をして教室に待機するよう指示されていたのだが、昇平が言うことを聞かずに教室から外に出てしまって、先生に叱られたということらしい。
緊急時に指示に従わないと、命が危険にさらされることもある。
しっかり昇平を叱ってくれた先生に、感謝してしまった。

その後、車で火事になった家の前を通ったので、「この家だよ」と昇平に教えた。
家と家の間から、焼けこげた窓や家の中の様子が見える。
それを見たとたん、昇平が「○○の廃墟みたいだ!」と声を弾ませた。ゲームに出てくる舞台を連想したらしい。
「すっご〜い!」ととても嬉しそうに言うものだから、「こらこら、喜ぶんじゃない」と注意した。
火事がどういうものか、全然わかっていない。
そこで、火事で家の中のものが何もかも燃えてしまったこと・・・同じ小学校の子の家であること、その子の机も本も服もゲームも、全部燃えてしまったこと・・・を話して聞かせたら、今度は急に真剣な声になって「(その子は)おうちに帰れないよ!」と心配し始めた。
家は燃えてしまったけれど、家族は全員無事だったこと、新しい家が建つまでどこかで暮らすことになるだろうこと、とりあえずは親戚の家にでも身を寄せるのではないかと思うこと・・・をさらに話して聞かせたら、ホッとしたようだった。
もう「○○の廃墟みたい」という話はまったくしなかった。

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まだまだ昇平は幼い。物事の善し悪しも状況の深刻さも理解できない。
だけど、彼にわかるレベルで説明してやれば、彼なりに事態を理解し、判断することができる。
これまでの親の役割は、彼の生活習慣を確立したり、人間関係の基礎力を育てたりすることだったけれど、これからは、こんなふうに社会を教えていくことが、大きな役割になってくるのかもしれないな、と思った。

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末筆になりましたが、火もとの御家族、及び近火の被害を受けた方々には、心からお見舞い申しあげます。
一日も早く、元の生活に戻られますように・・・。

[03/04/28(月) 15:43]

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