昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
家庭訪問
昨日の午後、昇平の担任の家庭訪問があった。
最近の昇平は、なにか特別なことがある日には、すごく不安そうな無表情になることが多い。
不安そうなのに無表情、というのは変な感じがするかもしれないが、いつも情感たっぷりに笑ったり怒ったり喜んだりしている昇平が、ほとんど表情を動かさなくなってしまうのは(リタリンが効き始めたばかりの小一時間を除いて)めったにないので、逆に目立つのだ。そういうとき、昇平はたいてい、すごく不安な気持ちや心配な気持ちになっている。
で、この日、昇平は朝から無表情気味だった。学校では違っていたかもしれないが、下校の時間になるとまた、心配そうな無表情。どうやら、家庭訪問をすごく気にしているようだった。
森村先生、1時半に到着。
昇平は二階でひとり遊びをしていたので、挨拶するように呼ぶと、階段を下りようとして、段を踏み外して2,3段おっこちた。・・・おい、動揺しているよ。大丈夫?
森村先生に話しかけられると、ちらっと笑顔を見せたけれど、挨拶がすむと、また二階に直行。1年前、家庭訪問で話す先生と母のわきに寝転がりながら、話の一部始終に聞き耳をたてていたのとは、ずいぶん様子が違っていた。
森村先生にはあらかじめ、学校での様子、特にクラス替えになった交流学級での様子や、最近の変化などを教えて欲しいと連絡帳で頼んであったので、話もそれについてのことが中心になった。
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○交流学級のこと
クラス替えがあったので障担、交流学級担、皆で心配したのだが、案外早く慣れることができた。
4月になって、初めて交流学級で授業を受けてきた後には、「ぼく、(ちゃんと)2年生になれたよ」と森村先生に報告したとか。
状況が分からなくて不安になったときにも、以前のようにすぐ担任に尋ねたりしなくなった。(以前は「何? なに?」「どういうこと?」「どうなってるの?」と声に出して質問していたらしい。・・・質問と言えば聞こえはいいが、要するに騒いでいたということだ。)
騒がなくなった理由は、「とりあえず周囲の子たちの真似をして様子を見る」ことができるようになったため。
しばらく不安な顔のまま、見よう見まねで行動するが、そのうちに、自分がやるべきことが分かって安心して取り組むことも多くなっているという。
その結果、特に音楽の授業がとてもスムーズになったらしい。
「まわりが見えるようになってきたんだな」というのは、夜、その話を聞いた旦那のコメント。同感。
○ゆめがおか学級のこと
何か特別のイベントが入って、時間いっぱいいっぱいまでその活動にかかったときなどには、「がんばったから少し休み時間をちょうだい」と自分から要求するようになっている。
ひとりで黙々とブロック遊びをしたり、ディズニーのスラップスティック・アニメのビデオを見て大はしゃぎしたりして、その後、すっきりとした顔でまた授業に参加する。休息したいときにはブロック遊び、羽目を外して発散したいときにはアニメを要求するらしい。
そうやって、自分でストレスを発散したり、気持ちを切り替えたりすることができるようになってきたのだろう。
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とまあ、主な内容は、こんなところ。
全体に、学校でがんばっている昇平の姿がよく伝わってきた。
こちらからは、昇平の感覚的な面の説明が多かった。テレビをBGMのように流しっぱなしにするのが好きなようだ、とか・・・。
森村先生が家庭訪問から帰って行った後も、昇平はしばらく二階でひとり遊びを続けていた。
母が台所で夕食の支度を始めると、初めて二階から降りてきて、相変わらずの無表情でお絵かきを始めた。
そこで、森村先生が昇平を誉めていたことを伝えると、話の最中は気のない様子でいたのだが、話し終わったとたん元気になってきて、機嫌良くお絵かきをするようになった。「おかあさん、見て見て。この絵はね・・・」声を弾ませながら、楽しそうに絵を描いていく。表情もぐっと柔らかくなって、笑顔が出てきた。
「森村先生がお母さんに、昇平くんが学校で失敗した話をいっぱい教えたと思ってた?」と尋ねてみると、「うん」とうなづいた。
やっぱりねぇ〜・・・。
とにかく、最近の昇平は、大人が自分のことを話しているときには、自分の悪いところや失敗したことについて話しているに違いない、と思うようになってきているのだ。
だから、家庭訪問も心配で心配でしかたなかったのだろう。
これも旦那が言ったことばだが「他人の評価が気になり始めた」のに違いない。
それは大きな成長ではあるけれど、同時に、本人のセルフエスティーム(自己肯定感)を損なう危険性もはらんでいる。これまで以上に対応に気をつける必要があるかもしれないな・・・と、そんなことも考えた、今回の家庭訪問だった。
[03/05/01(木) 10:06]