昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
履き忘れたズック
今朝のこと。
車で学校まで登校して、昇平と一緒に昇降口をくぐった。
外は雨降り。昇平は昇降口の中まで傘をさしてきて、その状態でズックを下駄箱にしまおうとするので、「まず傘をたたまなくちゃ」朝っぱらから注意してしまった。
傘を傘立てに立てて、教室へ。
いつものように、昇平は運動着の袋をロッカーから取ってきて、着替えを始めた。
というところで、ふと気がついた。
昇平が上ズックを履いてない!
机の下など、あちこちのぞいたけれど、ない。
「昇平、ズック履いてきた?」
昇平、あれ、という顔をして
「履いてこなかったかもしれない・・・」
あちゃー。またやってしまった。
私が傘のことをうるさく注意したので、そのことで頭がいっぱいになってしまって、上ズックを履くことがぽっかり抜け落ちてしまったんだわ。
う〜ん・・・声かけは確かに必要なんだけど、本人の意志に沿う形でそれを言うのは、なかなか難しいわねぇ。
昇平はもう着替えを始めていたので、着替えがすんでからズックを取りに行くことにした。
私も、それまで教室で待っていた。
着替えをすませ、連絡袋を先生に提出し、運動着袋やランドセルをロッカーにしまったところで、昇平と一緒に昇降口に行った。
登校時間のピークなので、廊下は教室に向かう子どもたちでいっぱい。それをかき分けるようにしながら、流れに逆らって昇降口に向かう。
すると、途中から昇平が急にスピードを上げた。
ちょっと私を振り向いてから、子どもたちをくぐり抜けるようにして、どんどん先へ行ってしまう。
私が昇降口についたとき、昇平は下駄箱から取ってきたズックを私に高く掲げて見せた。
「あったよ、ほら!」
「うん」
と私が頷いてみせると、昇平は満足した顔で教室へ走っていった。
途中、立ち止まってズックを履いたらしい。
あとは、振り向きもせずに教室へ戻っていった。
ああ、自分一人でズックを取りに行きたかったんだ、と思った。
昇降口に向かうところまでは母と一緒の方が心強かったのだが、途中から、自分の力で問題解決(というほど大げさなことでもないけれど)したくなったのだろう。だから、母を置いて一人で先に走っていったんだ。
子どもの自立って、こういうことなのかもしれないなぁ、と思った。
最初は親にすべて手伝ってもらいながら、何かができるようになる。
その次には、途中まで手伝ってもらって、やり遂げる。
その後、入り口まで親についてきてもらって、あとは自分でやって・・・
いつか、子どもは完全に親の手助けなしでできるようになっていくんだろう。
「ぼくがやるよ」「ぼくが自分だけでやるよ」
最近、そんな昇平の心の声が、しょっちゅう聞こえてくるような気がしている。
子育ては、本当に大変で、特に昇平のような子にはとびきり手がかかるわけだけれど。
もしかして、親が子の「手助けをさせてもらえる」時代というのは、限られていて、貴重な時間なのかもしれない。
子どもはいつまでも子どものままではないのだから。
登校時の、ほんのちょっとしたエピソード。
でも、それにこれだけのことを感じてしまったのは・・・もしかしたら、この雨のせいかもしれないな。
雨の日には、ちょっぴりセンチメンタルになるから。(笑)
[03/06/17(火) 08:49]