昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

夏休みの勉強

いよいよ夏休みが始まった。
我が家では午前中、その日の勉強をすることに決めた。
とはいえ、相手はばりばりのADHDっ子。一筋縄で勉強が進むわけはない。
というわけで、今回はADHD的勉強法のお話。

・・・ただし、これも通常の対応を同じく、子どもによって合う合わないはありますので、「うちの子には使えないわ」って時にはご容赦を。(笑)

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うちは学校に入学してからずっと家庭学習の習慣を続けている。
これは、かなり意識して維持してきたこと。

理由は、一度家庭学習の習慣をなくしてしまうと、その後、もう一度定着させるのがものすごく大変になるのが分かっていたから。
最初から「宿題はするもの」「勉強は毎日するもの」と思っていてもらえれば、気分が乗らなくてぶーぶー言っていても、最低限の学習はしてくれるようになる。
もちろん、たまには「今日は疲れたから音読だけね」とか「日曜日だったから、うっかり勉強を忘れちゃったねー」なんて日もあるけれど。

というわけで、夏休みが始まるとき「朝、お母さんが片づけを終わって二階に上がってきたら、その日の勉強をやってしまおうね」と持ちかけると、昇平も素直に「うん」と答えたのだった。
とにかく、勉強はやるものだと思っているから、難しくはない。
時間に関しては、「朝のうちやってしまえば、あとは一日たっぷり遊べるからね」と言うと、とても納得していた。

ただし、実際に二階に上がってみると昇平とお兄ちゃんがゲームで対戦の真っ最中、ということもある。
そういうときには一度声かけをして、今すぐはできそうにないと判断したら、「時計の針がどこに来たら勉強を始めようか?」と聞くことにしている。
ペアレント・トレーニングで勉強した『取り決め』の対応。
こうやって意志決定を自分に任されると、実際にその時間が来たときに守りやすくなるのだから不思議だな、と思う。
人間というのは、根本的に、自分で自分の行動を決めていきたいものなんだろうねぇ。

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夏休みに出されている宿題は、国語と算数のドリル、漢字練習プリント2枚、絵日記2枚、生活の記録表。自由研究や読書感想文などは本人の自由に任されているので、我が家では今年は取り組まない。というか、取り組みはまだ不可能。(笑)
夏休みの定番、夏休みの友は昇平には出ない。障碍児学級の子どもたちは免除なのだ。(希望すれば出るのかもしれないけれど、その気はない。受けている授業内容が異なっているから、あれに普通に取り組むのは難しい)

ドリルは一日1枚取り組めばやりきれる量だから、プレッシャーが少ない。
問題数も、一枚に10問と少なめだから、昇平もパニックを起こさないですむ。

この『一枚に載っている問題量が少ない』というのは、実はかなり大きなポイント。
問題を解けるだけの力を持っていても、プリントに何十問もずらーっと並んでいるのを見ると、それだけで「こんなにできない! いやだ、やりたくない!!」と大騒ぎが始まってしまうのだ。
ADHDの学習対応について書いた本を読んでも、『一度に取り組む問題の量を少なくする』というのはよく書かれている。
見通しが立てにくい性質のせいかな。視覚過敏の影響かな。とにかく、たくさんの問題が目にはいると、うんざりしてしまうらしい。

1枚10問の問題はたいてい、あっという間にやり終えてしまうのだが、ここで親が欲を出さないように気をつけている。(これがけっこう精神力必要なのだが。笑)

勉強の時は、基本的に母がそばで見ているようにしている。教えるためではなく、集中力を持続させるため。時に「できる」「できない」でももめることもあるけれど、そのあたりは臨機応変に。(笑)

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生活の記録表は、タンスの扉にテープで貼り付けて、一行日記を書かせている。
タンスに貼っているのは、そこが一番目立つ場所で、『親が』声かけを忘れなくなるから。(笑)
そうやって続けていって、そのうち昇平が自分から思いついて書いて「自分でやったよー」と自慢してくれることがあったら、この夏はそれで充分だろうと思っている。

ちなみに、昨日はじめて昇平が書いた一行日記は「フルーツスイカボート」というもの。
これは、頂き物の小玉スイカを半分に切ってくりぬき、カットフルーツとくりぬいたスイカを盛り合わせて、パイナップルボートならぬスイカボートを作った、という意味。
他にも、特記すべき内容はいろいろあったのだけれど、これが一番印象的だったようで、自分で選んで書いていた。

日記に関しては、とにかく書けばOKということにしている。
こちらはただ、昇平の書く文章に興味を持って、書いたものを読んで、ひとことそれを肯定すればよいと思っている。
実際、昨日昇平が書いたのを読んで「そうかー。フルーツスイカボートね。なるほどねー」と言ったら、それだけで昇平は満足して、にこにこ顔で離れていった。
そういうものなんだよねー。

夏休みはまだまだ長い。
上手に準備して、うまく声をかけて、親子共々楽しく過ごしていきたいな、と思う。

[03/07/21(月) 08:13]

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