昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
SSTを始める
かかりつけの病院で、今月から子どものSSTが始まったので、昇平もそれに参加し始めた。
SSTというのは「社会技能訓練」と訳されるけれど、要するに、他の人とスムーズに関われるようになるための練習のこと。
前回は初めてだったので、顔合わせとゲームなどの内容だったけれど、今回は挨拶と話をするときの基本の練習だったらしい。視線を合わせて話す、適切な声の大きさで話す、ジェスチャーを交えながら話す・・・などのポイントが、SSTのスタッフから、『お話の極意』というネーミングで「伝授」されたらしい。
今回SSTを受けているのは、小学1〜3年生の男の子たち4人。きっと、こういう秘伝伝授のようなスタイルには、とても乗ってやっているのに違いない。(笑)
やり方を教わった後は、実際にロールプレイングで役割分担して、声を出し、動きながら練習をしたらしい。
SSTではこのほかに、楽しく遊びながらルールを学んでいくためのゲームも必ず組み込まれている。
「今回は何をしたの?」と聞いたら「じゃんけん列車だよ」と教えてくれた。
次回までの宿題は『お話の極意』を実際に使ってくること。
家庭や学校での実践状況はどうだったか、をポジティブな視点でコメントしてくるのが、親への宿題になっている。
ポジティブな評価? はーい、それなら大得意でーす!(笑)
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さて、家に帰ってきてから、昇平がどう挨拶するのか見てみた。
まず声はかけておいた。
「家に帰ったら、なんて言うんだっけ?」
「ただいまー、って言う」
昇平はしっかと私の目を見て、はっきりした声でそう言った。目がキラキラ輝いている。
車から降りて家にはいると、昇平はまっすぐ茶の間に入っていって、そこにいたおばーちゃんに、大きな声で「ただいまー!」と言っていた。
後で聞いたら、ちゃんと目を合わせただけでなく、頭を下げておじぎまでしていたらしい。
その後も、おやすみの挨拶をするとき、話をするとき、ちょっと声をかけただけで、ちゃんと視線を合わせてすることができた。
今までも「相手のほうを見て挨拶するんだよ」とか「ほら、どっち向いて言っているの」なんて声はかけていたのだけれど、効果は今一。でも、SSTで練習してきたら、「目を合わせるの術、だったよね」と声をかけるだけで、自分で、あっ、そうだ、と思いだして、ちゃんと相手を見ながら挨拶できるようになった。
やっぱりすごいなー、と思った。
もちろん、練習したことを実際に使えたときには、いっぱい昇平を誉めている。
子どもを誉めるのは得意中の得意、です。(笑)
ああ、そうだ。SSTで勉強してきたことを、学校の担任にも伝えておかないとなー。
学校でもできていたら、一緒に誉めてもらおう。
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SSTを受け始めてから、また別の効果も見えてきたような気がする。
まだたったの2回目なのに、始まる前に同じグループの子を待合室に見つけたら、自分から「おはようー」と挨拶に行っていた。
顔をしっかり覚えていたらしい。(珍しい!)
家に帰ってきてから、ダーツの的とボールをおもちゃ箱の中から見つけて、母を誘いに来た。
「おかあさん、一緒にダーツで遊ぼう」
ちゃんとルールを守り、交代に投げる。自分が負けても怒らない。
あまり母と昇平が楽しそうに遊んでいるので、隣の部屋からお兄ちゃんもやってきて、後半は3人でにぎやかに遊んだ。
昇平の場合は、遊ぶときのルールが守れない、というよりは、一緒に遊ぶ、という気持ちがまだ弱いことのほうが問題なのだけれど、楽しい経験をたくさん積むと、少しずつ自分から求めるようになってくるのかもしれない。
夜はお兄ちゃんから「スマッシュブラザーズ」のゲームの『特訓』を受けて、とても楽しそうにしていた昇平だった。
SSTのプログラムは全10回。
できるだけ休まないで通いたいな、と考えている。
[03/11/23(日) 11:23] 療育