昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

ひとりでお風呂に入る

昨夜、昇平が生まれて初めて、自分ひとりだけでお風呂に入った。

いや、正確に言えば、ひとりだけで入ったことは今までにもある。
ただ、そのときにはすぐ近くに母や父がいて、何かあったらすぐに駆けつけられるような体制でいたのだ。
今回は違う。着替えを持って部屋を出るところから、お風呂に入って体を洗って、体を拭いて着替えて戻ってくるところまで、全部一人きりでやったのだ。

   ☆★☆★☆☆★☆

と書くと、「なんてすばらしい! 朝倉さんの育て方の成果だわね!」とか言われるかもしれないけれど(え? そんなことは言わない?)、実は、そんなに誉められるような状況で起こったわけではないのだ。

昨夜、母はお兄ちゃんとTVゲームの真っ最中。
いつもなら昇平も喜んで混ざるのだが、昨夜はとても難しいモード、というのをやっていたものだから、昇平は怖がって参加しなかった。
昇平は、しばらく隣の部屋でひとりで遊んでいたのだけれど、突然「ぼく、自分でお風呂に入ってくるね」と言い出すと、さっさとパジャマ袋に肌着とオムパン(おむつパンツ)を入れて、ひとりで階段を下りていった。
浴室に行くまでには暗い台所も通るのにな〜。またおばーちゃんに「お風呂にはいるところを見ていてちょうだい」なんて頼むんじゃあるまいか・・・などと頭の片隅では考えていたものの、ゲームは終盤にかかっていて、とてもそちらに行く余裕なんてない。
お兄ちゃんと一緒にああだ、こうだとゲームで戦っていると、とたんとたん、と足音がして、昇平がまた階段を上がってきた。
オムパンとパジャマのズボンをはき、上半身はまだ裸だったが、背中がちょっとだけ濡れていて、ちゃんとお風呂に入ってきたと分かる格好だった。
茶の間のおじーちゃん、おばーちゃんにも、ちゃんと「おやすみなさい」を言ってきたらしい。

「本当にひとりだけで入ってきたんだー。すごいねー」
とゲームの手を止めて、背中の真ん中のしずくを拭いてやったが、そのとき、ふと気がついた。
「あれ? 昇平くん、バスタオルをお風呂場に持って行った?」
お風呂場にバスタオルは常置してないので、バスタオルを使いたい人は、2階のタオル入れから出して持って行かなくてはいけないのだ。
「ううん。持ってくの忘れた」
と昇平。
「じゃ、なにで体を拭いたの?」
と聞くと、叱られるとでも思ったのか、ちょっともじもじしてから
「(洗面台の)手ふきで拭いてきた」

な〜るほど、と思うと同時に、状況に応じて臨機応変に行動がとれたことに感心してしまった。
後で風呂場に行ってみたら、風呂の蓋はちゃんと閉めてあったし、風呂場の中も片づいていた。
念のためにチェックしてみたが、ボディスポンジもちゃんと濡れていたので、とりあえず体を洗うこともしてきたらしい。
脱衣所には洗濯かごも出しておかなかったので、脱いだ服は、いつもかごを置く場所にまとめて置いてあった。
ふ〜ん。たいしたもんだ、本当に。

「えらいね。本当にひとりだけでお風呂に入ってこられたね」
と誉めると、昇平得意そうな顔になって
「ぼく、大人になったよ。だから、今度は大人みたいに自分ひとりでお料理もするよ!」
う〜む、それはちょっと難しいかもしれない・・・(^_^;)
「自分ひとりで(一食分全部)お料理をするのは、まだお兄ちゃんもやったことがないからね。別のことで、自分ひとりでやってみてね」
と答えて、なんとかその場はおさめた。

昇平は、ひとりだけでお風呂に入れたのが、とてもとても嬉しかったらしい。
その後、父が仕事から帰宅すると、真っ先にそのことを報告していた。
ので、父は「そうかー、すごいなー!」と昇平を抱き上げて、高い高いをしてやったのだそうだ。
・・・あなたも誉め上手になったわねぇ、旦那。(笑)

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まぁ、そもそものきっかけは母の怠慢だったわけだけれど、結果が良かったから、良いきっかけになったということにしておきましょうか・・・。
親は少し抜けているくらいの方が、子どもが成長するのかも。(爆)

[03/12/12(金) 14:14] 日常

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