昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
郡山に帰省する
昇平と旦那と一緒に、郡山市にある私の実家に帰省してきた。
ちなみに、お兄ちゃんは1週間も前から、ひとりだけで先に泊まりに来ていた。そうやって、実家の近所に住むいとこたちと思う存分遊ぶのが、夏休みや冬休みの最大の楽しみなのだ。
さて、帰省する当日。昇平はとてもハイテンション。リタリンもあまり効かないくらい。
出発の時間を待って時計を何度も見ながら、うろうろ、うろうろ、動物園のクマのように部屋を行ったり来たりしていた。
この正月、昇平は全体的にテンションが高かった。正月が嬉しくて、立て続けの行事が楽しみで、もう大興奮! という感じ。それだけ、正月がどういうものであるのか分かるようになり、楽しみにできるようになったんだなぁ、と思った。
実際、本人も「お正月って楽しいねぇ!」「お正月っていいねぇ!」をニコニコ顔で連発していた。
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実家では、兄といとこたちが一室に集まってゲームの真っ最中。昇平も早速混ざりに行ったのだが、そのグループは4人、ゲームのコントローラーも4つ。あっという間にみそっかすにされて、怒って大人たちのところに報告に来た。
「あっちいけって言われたー! 追い出されたー!」
う〜ん。これはいかんともしがたい部分があるなぁ。すでにそのグループでひとつのゲームを始めていたわけだし、そこに「混ぜて」と言っても、ゲームを中断して入れてくれるなんてことは・・・普通はないもんねぇ。(苦笑)
その後も、昇平は何度となく、兄やいとこたちのグループにアタックをかけていたが、年齢的な差もあって、結局入れてもらえず、ひとりで茶の間でゲームをすることになった。
まぁ、それはそれで楽しそうだったし、時々はいとこたちのやっているゲームを眺めに行って、満足はしていたようだけれど。
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帰省中はおせちづくし、ごちそうづくしだった。
ずらっと並んだおせちに大感激する昇平。数の子やらイクラやら、お高いものばかりに箸を出す。(贅沢モノめ)
ある日にはファミリーレストランに昼食を食べに行ったのだが、小ぶりのステーキを注文して、それをぺろりと平らげたらしい。(母は別行動していた)
後で「郡山ではなにが一番おいしかった?」と聞いたら、即座に「ステーキ!」と答えたから、よほど満足したらしい。
でも、ファミレスでも昇平はちゃんと椅子に座って待ち続け、食べている最中も、食べ終わってからも、席を立つこともなかった、と付き添った旦那が言っていた。
それを聞いて、ふと、親子4人でこの郡山に住んでいた時期のことを思い出した。
あの頃は、時々家族でファミレスに行ったりしたが、とにかく昇平がじっとしていない時期で、旦那と交代で昇平を店の外に連れ出し、注文した料理が届くと呼びに行き、早く食べ終わった方が昇平を連れてまた店の外に出て、他の家族が食べ終わるのを待っていたっけ。
その後、料理が来るまではなんとか待てるようになってきたが、今度は椅子からテーブルの下に滑り降りて、そのあたりでごそごそ動き回り、店内を歩き回る時期があった。もちろん、椅子の上を渡り歩いて遊んでいたこともある。
あの多動児が、ちゃんと食事が終わるまで座り続けられるようになったんだなぁ、と思うと、なんだか感激してしまった。
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それにしても、この帰省では、昇平の社会性の伸びを改めて感じてしまった。
確かにまだまだ未熟だし、人との関わり方のへたくそなところも多々あるけれど、自分から関わりを求めて誘う場面がとても多かったし、相手を思いやることばも時々言っていた。
たとえば、帰省する日の朝、自分の家のおばーちゃんが台所に立っていると、昇平は脇に来て言ったのだという。「ぼく、今日郡山に行ってきます」
そこで、おばーちゃんが「行ってらっしゃい。おじいちゃんとおばあちゃんは、寂しいけど我慢してお留守番してるからね」と言うと、
昇平は「ごめんね。悲しがらないでね」と答え、少し後の朝食の席で自分から「おばーちゃん、ぼく、郡山から電話するからね。お母さん、電話(携帯電話のこと)ちゃんと持って行ってね」と言ったのだ。
帰宅したときにも、おばーちゃんが「おかえり」を言うと、
自分から「ぼく、郡山から電話するの忘れちゃった。ごめんね」と言った。
そう言うように大人が教えたわけでも、モデルになるやりとりがあったわけでもない。まったくの自分の考えで言ったことばだった。
それを聞いて、母とおばーちゃんは、すごい!と感心したのだった。
今はまだ上手に遊べないいとこたちとも、いつかはきっと、一緒に楽しくしゃべったり行動したりできるようになるんじゃないだろうか。
今は未熟でも、いつかはきっと。
そんな予感がした、今回の帰省だった。
[04/01/05(月) 06:01] 日常