昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

「お願いしよう」〜SSTレポート・6〜

今回のセッションのタイトルは「友だちにお願いしよう」。
適切な頼み方を身につける、というのがテーマだ。
また怒ったり怒られたりする内容だとイヤだな・・・という表情だった昇平、ボードに書かれたテーマを読んで安心顔になった。これなら大丈夫、できるぞ、と考えたらしい。

今日は、いつものメンバーに加えて、幼稚園年長の弟くんもひとりセッションに混ざっていた。いつもは親の学習会の方に同席していたのだが、さすがにそれは退屈だろうし、セッションに興味もあるようなので、という病院側の配慮。
この子の存在が、昇平に大きくプラスしたらしい。隣の席になったのだが、何と、昇平はしきりにその子に話しかけ、なにかと世話を焼いていたのだそうだ。

今回のテーマに沿ったロールプレイングは、「消しゴムを忘れたので、隣の席の子から借りる」という場面。
まず、勝手に消しゴムを借りていってトラブルになるケースを見てから、どうすれば良かったかを考え、適切な頼み方を練習してみる。

 本人「○○ちゃん、消しゴム貸して」
 ○○「今使っているから後でね」
 本人「うん、わかった。じゃあ、あとで貸してね」
 ○○「はい」(消しゴムを渡す)
 本人「ありがとう」

これをSSTスタッフが演じて見せたあと、子どもたちに「やりたい人?」と言ったところが、昇平が真っ先に手を挙げたのだそうだ。適切な頼み方も、消しゴムを借りて「ありがとう」を言うところも、しっかりできたらしい。
そして、席に戻ってきた昇平は、隣の席の弟くんに言ったのだという。
「ぼく、上手だったでしょう?」
そうか〜。年上として、ぜひとも弟くんにいいところを見せたかったんだね。

昇平は家でもクラスでも、いつも一番年下として扱われているのだけれど、本当はお兄ちゃんらしい行動もとりたいんだろう。
病院にCSSTに行くと、方向音痴の母を階段まで連れて行ってくれる昇平。
誰かに頼るだけでなく、誰かから頼られたりお手本になったりするような存在になっていきたいんだろうね。

   ☆★☆★☆☆★☆

今回、子どもたちがSSTを受けている間、親たちの学習会もとても充実したものになった。
同じような子どもを苦労しながら育てている親同士は、分かり合い発散し合うことができるから、本当に貴重な存在だと思う。
次回のSSTのタイトルは「仲間に入ろう!」。おお、これまた、昇平にぴったりのテーマ。
次のセッションが、今からとても楽しみになっている。

[04/01/26(月) 08:38]

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