昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
大人もみんな子どもだった
今朝のこと。
母にたたき起こされてファンヒーターの前で着替えをしていた昇平が、BGMに流していた曲の一節をふと聞きとった。
♪大人もみんな子どもだったのさ・・・♪
昇平が母を振り向いてたずねてきた。
「どうして大人もみんな子どもだったの?」
さて、どう説明しようかな、と一瞬考えてから、こんなふうに答えてみた。
「大人は最初から大人だったと思う?」
「違う」
「最初から大人で生まれてきたと思う?」
「違う・・・赤ちゃん」
「そうだね。赤ちゃんで生まれてきて、大きくなって子どもになって、それから大人になるんだよね。だから、大人も昔はみんな子どもだった、ってことなんだよ」
すると、昇平、少しの間考えてから、今度はこんなことを聞いてきた。
「お母さんは、誰から生まれてきたの?」
「郡山のおばあちゃんだよ。郡山のおばあちゃんが、お母さんのお母さんなの」
すると、昇平、
「郡山のおばあちゃんは、誰から生まれてきたの?」
おやおや、ついにこの質問が昇平からも出てきましたか。
「若松のひいおばあちゃんだよ」
ひいおばあちゃんは現在90才だけど、元気に暮らしている。
「じゃ、わかまつのひいおばあちゃんは誰から生まれてきたの?」
「ひいおばあちゃんのお母さんから。そのお母さんも、そのまたお母さんから・・・・・・みーんな、自分のお母さんから生まれてきたんだよ」
子どもなら誰もが必ず一度は疑問に思って確かめることだけれど、昇平もまた、それに気がつく日が来たらしい。
昇平は説明を聞いて、ふぅん、そうかぁー、という表情でしばし考え込んでいたけれど、ふと、改めて母を見てこう言った。
「ぼくは、誰から生まれてきたの?」
おや、そこまできちんと確認したくなりましたか。
「もちろん、このお母さんから生まれてきたんだよ」
母が自分を指さしてみせると、昇平はとても納得した顔になって、一連の質問は終わりになった。
☆★☆★☆☆★☆
生活科ではこれまでの自分の成長をまとめる作業が続いている。
自分の赤ちゃんの頃の写真を眺めたり、当時の話を聞いて書き留めたり。
そういう活動を通して、自分自身が母から生まれてきたこと、その母もまた自分の母から生まれてきたこと・・・そうやって命がずっとつながっていることを、昇平なりに理解できるようになったのだろう。
うん、いい学習をしているね、昇平。
今度、母の古いアルバムを引っぱり出して、母の小さい頃の写真を見せてやろうかな、と考えている。
[04/02/09(月) 10:56] 日常