将来の夢

昇平は、本当にお絵描きが得意だ。
昨日も、パソコンに向かってひとりで絵を描いていたのだけれど、だれも教えていないのに、透視図法で部屋を描いていく。
それも、迷うこともなく直感で線を引いていって、ちゃんと部屋になっていく・・・。
色の塗り方も、けっこう芸術的。

「上手だね〜。大きくなったら絵を描く人になったら？」と言ったら
昇平はにっこり笑って「ゲーム」と言った。
ゲームの絵を描く人、つまり、ゲームデザイナーになりたいってことらしい。（なぜだか「ゲーム」の一言で、私には意味が分かるのだな）
そういえば、最近の昇平の絵はゲームの画面やキャラクターやアイテム、舞台なんてものが多い。
「素材」なんてタイトルで、様々な角度や表情のキャラクターやイラストを並べた絵も描いている。
しかも、ストーリィはすべてオリジナル。（キャラクターはカービィやネットゲームのキャラクターから借用しているけれど）
頭の中でゲームの場面を想像しては、楽しそうに独り言（キャラクターのセリフ）を言いながら絵を描いている。
「これはどういう場面？」と画面を見ながら聞くと、舌足らずな言葉遣いで、嬉しそうにいろいろ説明してくれた。

本当のゲームデザイナーはとても大変な仕事だけれど、もしかしたら、本当に将来デザイン関係の仕事についたりしてね。
親のひいき目を抜きにしても、昇平の描く絵にはちょっと斬新なものが多いし。・・・いや、やっぱり親バカのひいき目か。（爆）

ま、我が子の未来にあれこれ夢を描くのも親の楽しみのひとつと言うことで、ご容赦のほどを。

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【余談】
その夜、お風呂に入りながらまたお絵描きの話になった。
「昇平くんはホントに絵を描くのが上手だもんね」
とまた母が誉めると、昇平はちょっと真剣な顔になって
「でも、それでもぼく、もっともっとお絵描き（の練習）をするよ」
と言い、それから
「ぼく、大きくなったら絵を描く人になってね、もっと大きくなって大人になったら、大工さんになりたいんだ」
と言った。
あ、そういえば、以前にも大工さんになりたい、と言っていたことがあったっけ。

「大工さんかー」
と母がうなずくと、昇平はニコニコしながら
「大工さんになってね、おもちゃをいっぱい作るんだよ」
は？　おもちゃを作る大工さん・・・おもちゃ職人かな？
「それからね、台風で壊れた家を直したり、家をいっぱい建てたりしたいんだ」
ふーん、そうなんだー。

パソコンを駆使するゲームデザイナー、おもちゃも作る大工さん・・・
いずれにしても、何かを「作る」仕事をする人にはなりたいんだね。
素敵な夢が広がる君の未来。
そのままの形では実現しないかもしれないけれど、きっと、君なら何かつかめるね。
例え時間はかかっても、いつの日か、きっと、必ず・・・。


[04/02/10(火) 14:25] 日常