昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

リタリンが完全に切れると

『最近の昇平』というタイトルの日記に「最近昇平がとても落ち着いてきて、ADHDらしいエピソードが少なくなった」と書いたけれど、実はとんでもなかったことが、昨日確認されてしまった。(笑)

というのは、昨日の昼食後、昇平にリタリンを飲ませるのを忘れてしまったのだ。
気がついたのが午後2時過ぎ。それから飲んでも間に合う時間ではあったのだが、それこそ「最近落ち着いてきているから、飲ませなくても大丈夫かも」と、そのまま様子を見ていたのだ。

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午後3時頃までは比較的落ち着いて過ごしていた。というか、パソコンで大好きなオンラインゲームに熱中していたので、何も問題がなかった。
ただ、いつもより周囲への反応が少し悪くなっているな、とは感じられた。
学校で勉強するときには、集中ができなくなったり理解が大変になったりするので困るのだが、今日は休日だし、この程度ならまあいいか、と思いながら眺めていた。
ところが、ゲーム時間が過ぎてゲームを終わらせたところから、騒ぎが始まった。

まず、ゲームがすんなりやめられない。
普段も好きなことはなかなかやめられなくて、やめさせるのに苦労するのだが、それがいちだんと大変になっていた。言っても言っても、返事だけで一向にやめない。とうとう「これ以上やったら、明日のゲーム時間を減らすよ」と言って、ようやくゲームを終了させた。

ゲームをやめたとたん、「お母さん遊ぼう!」が始まった。
母はこれから夕食の買い物に出かけるところだったのだが、とても許してもらえない。
「バーカ!」「ぶっ殺してやる!」「ぼくのプレゼントは世界征服だ。ぼくが大きくなったら、世界を征服してやる」・・・自分で思いつける限りの『言ってはいけないようなことば』を並べ立てて怒る。
旦那にSOSを求めたかったけれど、ちょうどそのとき、旦那は長男のゲームにお付き合い中。そこに途中から昇平が入るわけにも行かず、しかたがないので、買い物に出るのを遅らせて、昇平と少し遊ぶことにした。

昨日は春のような天候で、外は夕方でもまだぽかぽかと暖かく、外遊びをするにはちょうど良い季候だった。
バドミントンセットを出して「一緒にやろう」と誘うと、昇平は喜んで乗ってきた。
こちらから打ったシャトルを、野球のボールよろしく打ち返してくる。以前に比べて反応もタイミングもかなり良くなっている。
あ、これはいいな、楽しめるな、と感じたのも束の間、ほんの5分やっただけで「もう終わりにする」「別のことをしよう」。
ADHDの特性のひとつである、集中力の短さが顕著に出てきていた。
「これでおわったらつまらないよ、もうちょっとやろう」と言って引き延ばし、なんとか10分遊んだが、そこまでで完全に集中力は切れてしまい、バドミントンは終了になってしまった。
ただ、たった10分間ではあったけれど、バドミントンそのものはとても楽しかったので、次の機会を見つけてまたやろうと思っている。
その後、昇平はシャベルを持って砂場に行き、ひとりで砂遊びに熱中していた。(母はその間に買い物に行った。)

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夕飯時はちゃんと着席していたし、食事にも集中していた。
行動は普段とそう変わらなかった。

ところが、夕食後、4人で一緒にゲームをしよう、という段になって、またまた騒ぎになった。
まず、寸前で見始めてしまったテレビがやめられない。
やっとのことでテレビを消してゲームを始めたのだが、うろうろと部屋の中を飛び回って、とにかく落ち着かない。
「まるで動物園のクマさんみたいだね」と言うと、「クマじゃないよ!」と言って自分の場所に座るが、30秒も経たないうちに、また飛び回るようにうろつき始める。
とうとうお兄ちゃんや旦那から「落ち着けよ」「もっと落ち着きなさい」とお小言が。最近、こういう場面がとても少なくなっていたから、改めて、リタリンのない昇平を家族中で認識することになってしまった。お兄ちゃんに至っては「いいかげんにしろよ!」と怒り出してしまったので、「叱られて落ち着けるくらいなら、誰も苦労はしないんだよ」と母がフォローした。
昇平自身もなんとか落ち着こうとはしていたものの、やっぱりじっとしていられなくて、立ち上がっては押入前の布団によじ登って「ぼく、疲れたからここで一休みしているの」と言っていた。
飛び回ったり動き回ったりしていることより、一カ所に座っていることの方が、昇平には『疲れる』ことなんだなぁ、とつくづく感じた。

ゲーム自体は、お兄ちゃんが昇平にちょっと手加減をして、一番先に上がりそうになっていた母を兄弟で共同戦線を組んで妨害する、という作戦に出た。それが功を奏してか、昇平は二度ともトップで上がったのだが、それまでは、ちょっと自分の形勢が悪くなると罵詈雑言が出るわ出るわ。一緒にゲームをしている相手が、皆それを上手に無視できるから良いようなものの、年の近い兄弟だったりしたら、間違いなくケンカになってしまったことだろう。
ゲームの後は、お兄ちゃんに遊び相手をしてもらいたくて、わざと悪口を言って挑発したりもしていたし。
それを笑ってあしらえるようになったんだから、お兄ちゃんも大人になったもんだわ。

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とにかく、リタリンが完全に切れた昇平は、ちょっとしたことで腹を立てて悪口を言い、興奮しやすく、落ち着きがなく、とりとめがなくて衝動的で、集中力が短くなる反面、好きなことには集中しすぎる・・・という、典型的ADHD症状を示していた。
今までも、昼に飲んだ薬が夜には切れて落ち着きがなくなっていたのだが、それでもいくらか薬の効果が持続していたから、程度が軽かったんだな、と思い知らされたり。

ただ、リタリンが切れているときの昇平は、とても陽気で活発になる。にぎやかすぎて大変なところもあるけれど、これはこれで、憎めなくて好ましかったりするのだ。リタリンがばっちり効いてしまっていると、そういう愛嬌の良さは減ってしまうような気がしている。物事がよく分かるようになった分、不安も強まって消極的になっている・・・という感じだろうか。

いろいろなことを学び、考え、身につけて行くには、まだまだリタリンの助けが必要なのだけれど、一方で、副作用とまではいかないものの、気になることはあるわけで。そのあたりの薬のメリット・デメリットを天秤にかけながら、薬物治療を続けていく必要を感じている。

[04/02/23(月) 09:13] 薬

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