昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

運動会 in 2004

日曜日。前の晩の雨も上がったので、小学校では無事運動会が開かれた。
昇平は前の晩から「明日はがんばるぞ」と腕立て伏せなどしてやる気満々。学校に着いてからも気合い十分だった。彼も小学校3年目。行事に慣れてきたんだなぁ、と感じた。

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さて、この学校では3年生から午後にもプログラムがある。つまり、昇平は今年初めて、午後の部まで残って参加することになったのだ。
母は内心心配だった。昇平の場合、リタリンは3時間を過ぎるあたりから効き目が切れ始めるから、昼食まではもたないだろう。こういう特別な行事の時には服薬時間をずらしても良い、と主治医からお許しはもらってあるので、午前中に2回目のリタリンを飲ませることにした。

その後、母は開会式を待ちながら昇降口の前にいたのだが、そこへ昇平が協力学級の子どもたちと一緒に椅子を持って出てきた。まだ小さな体の3年生には、椅子は重くて大きくてちょっと大変そう。それでも、昇平は列の前の子を確かめながら、一生懸命後について歩いていた。
つまり、前の子の顔を覚えて、その子について行っていた、ということ。
う〜ん、森村先生が作って下さった顔写真のカードは、さっそく効果が出ているみたい。
今年初めて、入場行進もあったけれど、そのときにも前の子にちゃんとついて歩いていた。保育園時代、行進のとき前を行く人がどうしても覚えられなくて、「どうやって前の人を分かるようにさせようか」と担任の先生たちと悩んだのが嘘みたいだ。

開会式の間も、昇平は全然フラフラしたりしなかった。ちゃんと前を向いて、話を聞いている。
苦手なラジオ体操も、今年は今までで一番上手だった。来年の目標は、前屈−後伸の動きができるようになることかな。ラジオ体操が、毎年の昇平の運動機能等の発達を見る、とても良いバロメーターになっている。

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というところで、いよいよ競技開始。
昇平の最初の種目はチャンス走だった。コースの途中にあるカードを拾って、そこに書かれた職業の扮装をしてゴールまで走る、というもの。「スポーツ選手」は大きなランニングを着てボールを持って走る。「料理人」だったら給食のエプロンを着てお玉を持って走る。
昇平はピストルの音が苦手なので、スタートラインでも耳をふさいで立っている。なので、スタートダッシュはどうしても遅れてしまう。
ところが、昇平が引き当てたのは二番目のラッキーカード「みのり先生と握手してからゴールに走る」。(一番のラッキーカードは「何もせずそのままゴールに走る」)
みのり先生は昇平の協力学級の担任。昇平、自信を持って先生の元へ走り、精一杯走って3位でゴールした。

緑のリボンを付けてもらってニコニコ顔になっていたところに、朝、仕事に出ていた父が遅れて到着。昇平はもう大喜びで、興奮状態になってしまった。立ったり座ったり、両親の元へ来ては話しかけたりと落ち着かない。
時間的にもリタリンの効き目が落ち始める頃だったので、いつもより2時間くらい早いのだが、2回目のリタリンを服用。見ていたら、40分を過ぎたあたりから、また薬が効いて落ち着き始めた。

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二番目の昇平の種目は120M走。
昇平は第一コーナーの手前で転んでしまった。
ところが、昇平、すぐにまた立ち上がると、精一杯走って一番最後でゴールインした。
「転んでも最後まで走り抜いたから偉かった」と旦那が感心していた。森村先生も、後でそのことを誉めてくれた。転んで誉められるんだから、とっても得かもしれない。
でも、本当に偉かったと、母も思っている。
ただ・・・実は、カメラを覗いていた母は、転んだ直後から、昇平の姿を見失ってしまっていたのだ。最後まで走りきる様子が分からなくて、本当に残念!

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下学年の紅白対抗リレーでは、昇平も他の子たちと一緒に一生懸命応援をしていた。
児童席の前に立つ応援団の旗が振りたくて、「ぼく、6年生になったらあれをやるよ」とも言っていた。
応援団がかっこいい役だというのは、ちゃんと分かっていたんだね。

その後、昼食になったが、このあたりからだんだん空が厚い雲におおわれてきて、冷たい風が吹き始めた。
昇平は半袖半ズボンの運動着の上に長袖長ズボンを着たが、それでも寒そうなので、母のウィンドブレーカーを着せた。
食べている途中で「お腹が痛くなってきた」というので、膝枕で少し眠らせたら、10分足らずでまた元気になって起きあがってきた。きっと寒さに加えて疲れが出てきたんだろうな。

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午後の部は5年生の鼓笛パレードから始まった。ゆめがおかのBくんとCくんが出ている。皆と一緒に足並みそろえて、鍵盤ハーモニカを弾きながら行進し、ドリルと呼ばれる隊列移動の演技もこなしていく。
この子たちにとっては、こういうことが何より苦手なことの一つだと分かっているからこそ、それを皆と同じようにやりこなしている姿にもう涙が出るくらい感動してしまった。
うん、本当によく練習したね。よくがんばったね!

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昇平の午後の種目は「タイフーン」と呼ばれる紅白対抗の団体競技。色別のチームに分かれ、長い棒を3人で持って走り、途中にあるコーン2つのまわりを回って戻り・・・次の組に棒をバトンタッチする、というもの。
昇平は女の子2人に挟まれた真ん中に立って、一緒になって走っていた。女の子たちの顔は写真カードでもすぐに覚えたそうで、女の子たちのリードに合わせて昇平も上手に走っている。
安心しきった表情でがんばっている昇平の姿が印象的だった。

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しかし、午後になって徐々に疲れが見え始めた昇平。薬の効き目も切れてきて、また離席が始まった。
運動会終了予定は午後2時半。それまで持ちそうにない、というので、リタリンを1/2包だけ追加した。こういう場面でだけの特例措置だ。
その後もくたびれた様子は続いていたが、離席の回数は減った。まわりの子たちも、初めて午後まで参加しているので、同じように疲れてきて落ち着きなく座っている。

そして、いよいよ最後の上学年紅白対抗リレー。
昇平たち白組がこれに勝てば逆転優勝できる、というので、力のこもった応援合戦が始まった。昇平も一緒になって手を振りながら応援している。
がんばれー! がんばれー! 白がんばれー!!
だけど・・・ああ、残念。5点及ばず、白は負けてしまった。
「赤に勝てなかった!」
と本気で悔しがっていた昇平。
そんなふうに、チームの一員として応援したり、負けを悔しがったりすることができるようになったんだ・・・と母は密かに感動していた。

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ところで、閉会式終了後、この春卒業していった、ゆめがおかのマドンナHちゃんと、そのお母さんにばったり会った。応援に来ていたのだ。
昇平、Hちゃんを見たとたん、もうこれ以上ない、というくらい満面の笑顔で大喜び。Hちゃんのお母さんに「チャンス走の3位、すごかったね」と誉めてもらうと、またまた嬉しそうな顔をしていた。
長丁場、いろいろな場面でがんばっていた昇平だから、最後にこんな素敵なご褒美があったのかもしれない。

昇平、みんな、そして、先生方。
本当に、運動会お疲れ様でした。

[04/05/26(水) 10:25] 学校

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