昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

「半分不良」

母の許可のないサイトに行けないよう制限をかけてから数日。ネットサーフィンを楽しんでいた昇平が、許可されていないサイトに行こうとして、「お母さん、ここが見たい」と言ってきた。
単純なゲームサイトのようなので許可しようとすると、何故かCAPSロックキーが解除されなくなっていて、許可のためのパスワードが入力できなくなっていた。
おかしいな? と何度もやり直していたら、昇平が機嫌悪くなって怒り出した。
「お母さんのせいだ!」「お母さんが意地悪するからだ!」
「そんなふうに言われたらお母さんは全然嬉しくない。直してあげようって気持ちにならなくなるよ!」
とこちらもイライラと言い返した。
まぁ、本人にそういう言い方はしないよう教えている面もあるのだけれど、半分は本当に機嫌が悪かったんだよね・・・私も。

そこへ、一泊二日の旅行に出かけていたおじーちゃんが帰宅した。海辺の旅館に泊まってきたので、おみやげは昇平の大好物の「海苔」。それが大きな袋にどっさり。
それを見たとたん、昇平は歓声を上げて、袋を抱えて台所に飛んでいった。
ちょうど昼時だったので、そのまま海苔で昼食を食べたいと言う。

大急ぎでお昼の準備をしていると、テーブルにもたれながら、昇平が言った。
「ぼく、半分不良な気持ちだよ」
は? なにそれ?
すると、昇平が自分の体を左右に二つに分けるように、体の中心に指で線を引いて見せながら
「こっちから半分はね、パソコンがうまくつながらないから、プンプン怒っている不良な気持ちなの。でも、こっちの半分は、海苔をおみやげにいっぱいもらったから、ニコニコ嬉しい気持ちなんだよ」
なっ、なるほどねぇーーー・・・。それを「半分不良」とは、なんか妙にぴったりな表現だ。

ところで、おかずがちょっと足りない。
「ベーコンを焼こうか?」
と聞くと、昇平はにっこりして「うん!」と言い、それから、付け足すように言った。
「ぼくもう、全部不良じゃなくなったよ」
「どうして?」
「ベーコンが食べられるのが嬉しいから」
「全部嬉しい気持ちになった、ってこと?」
「そう!」

その後、昇平は本当に機嫌良く海苔とベーコンで昼食をとり、機嫌良く2階に上がっていった。
私はと言うと、昇平が自分の気持ちをそんなふうに正確に把握できるようになり、自分なりに表現できるようになってきたことに、すごいなぁ、と密かに感心していた。


p.s.
結局、CAPSロックキーが解除できなくなったのは、パソコンではなく、先方のサイトに問題があったらしいことが分かった。
「ここを見ようとするとパスワードが入力できなくなっちゃうんだよ」と教えると、それで納得して、そこはもう見るのを止めた昇平だった。
切り替えも上手になったねぇ。

[04/08/04(水) 15:15] 日常

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