昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
悪魔の心
ふと、昇平が言った。
「ぼくって天使の心?」
「うん。昇平くんは優しいね」
私が答えると、昇平が続けて言った。
「でも、お兄ちゃんは悪魔の心だよ」
お兄ちゃんは、ちょっとしたことですぐに機嫌悪くなったり、怒り出したりすることがある。そのことを言っているのだ。
「あら。お兄ちゃんも本当はすごく優しいんだよ。ただ、時々自分の気持ちが抑えられなくなって、かーっとなったり、興奮しちゃったりするだけなんだよ」
と私が説明すると、昇平が繰り返した。
「お兄ちゃんは悪魔の心だよ・・・ぼくも、時々悪魔の心になるよ」
思わず笑ってしまった。
確かに、昇平もよくかんしゃくを起こしたり、自分を押さえられなくて騒いだりしている。最近は特にそういうことが多いような気がする。
「そうだね。お兄ちゃんのそういうところを悪魔の心って言うなら、昇平くんも、ときどき悪魔の心になるねぇ」
笑いながらそう言うと、妙に納得したような顔をしていた昇平だった。
[04/08/10(火) 05:35] 日常