昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

フリー参観・2〜英語と国語〜

さて、1校時目はALTによる英語の授業。イギリス人(だったはず)の女の先生が来て、英語で楽しいゲームを指導してくれた。
この授業は、ゆめがおか1と2の合同なので、6年生のAくんや1年生のEくんもやってきて、みんなでわいわい楽しく活動していた。
実を言えば、私は昔、小さな子どもたちに英語を教える講師をしていたことがある。英語の歌やゲーム、物語を楽しみながら、英語に慣れ親しむ、という活動がメインの塾(?)だった。
ALTが用意してくれたのは、1から20までの数字カード(これを英語で言う)やそれを使ったビンゴゲーム、色のカードとそれを使ったぬりえゲーム。とても楽しそうな様子が、なんともなつかしい雰囲気で、私もついつい子どもたちのそばに出しゃばって、一緒になって楽しんでしまった。

英語を習っているCくんは、他の子たちに先んじて数字を大きな声で言う。
いいよね。こんなふうに「ぼく、これは得意だぞ」と思える活動を経験できるのって、本当に素敵だよね。
昇平は色のところでものすごく張り切っていた。紫色が英語でなんというか分からなくて、みんなが困っているとき、昇平は真っ先に大きな声で「パープル!」と答えていた。七色に塗り分けられた、ちょっと意地悪(?)カードもあったのだけれど、それにもすかさず「レインボー!」と答える。ほーんと、君は色が好きだよねぇ。
ぬりえゲームというのは、子ども一人一人が色を塗る場所(農場にいろいろな動物がいる絵だった)を決めてから、色カードを引き、その色の英語を言いながら塗っていく、というもの。だから、グリーンの牛がいたり、ブルーのネコがいたり、オレンジのアヒルがいたり。
太陽はブルーになったし、山はパープルになった。
ところで、昇平の持っていた色鉛筆セットには紫が入っていなかった。山はパープル。さて、どうするかな? と思ってみていたら、最初にピンクを塗って、その上から青を重ね塗りして紫色を作っていた。ははは、やっぱりね。君ならきっと何とかするだろうと思っていたよ。
最後に、ALTの先生が合格のサインを一人一人の絵に好きな色で書いていってくれた。
子どもたちは、一生懸命英語で「ブルー」とか「レッド」と色の名前を言っていたが、昇平の番になったら、昇平はにやっと笑って「レインボー!」と言った。ALTの先生、「Oh!」と目を丸くしながらも、色鉛筆を次々に取り替えながら、七色ならぬ八色使って"Good"というメッセージとサインを書いてくれた。カラフル大好きな昇平は、もうニコニコだった。いやはや、君ってヤツはもう・・・(笑)

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1校時目の後、10分間の休憩がある。「先生、ブロックで遊んでいい?」と子どもたちが聞いてきた。
「いいよ。いっぱい遊びな」と森村先生が答える。英語の授業で子どもたちが精一杯緊張しながら頑張っていたのを、ちゃんと分かっているのだ。
子どもたちは、思い思いに好きなことをしてリフレッシュをしていた。
こんな小さな配慮も嬉しいゆめがおかだった。

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2校時目は国語。がらり雰囲気が変わって、いかにも「勉強するぞ」という面持ちで子どもたちが席に着いた。
これも毎年感じることだけれど、森村学級は時間ごとのめりはりがとてもはっきりしている。楽しむときには(安全に気をつけながらだけれど)たっぷり遊んで楽しむし、勉強するときには真剣に勉強に取り組む。休み時間にリフレッシュしていたこともあって、子どもたちはすーっと学習に向かっていった。
これまた、毎年言っているような気がするけれど、何も知らずにこの教室を見た人は、この子たちが「注意欠陥・多動性障害」という障害を持っているなんて、とても信じられないんじゃないだろうか? それくらい、みんなの学習態度は立派だった。

学習は大きく3つの内容に分けられていた。
1.辞書を使っての意味調べ(個別学習)  2.プリント学習(全体学習)  3.漢字ドリル(個別学習)

意味調べに取り組むとき、森村先生はまずこんな話をした。
「みんな学年が大きくなってきました。(このクラスで一番下級生の)昇平くんも、もう3年生です。Dくんは4年生、BくんとCくんは5年生です。国語を勉強していても、少しずつ難しいことばが出てきました。下級生から『このことばって、どういう意味?』って聞かれることが、あるかもしれません。そのとき『俺、知らねー』・・・では、かっこわるいよねぇ。そういうとき、ちゃんと『このことばはこういう意味なんだよ』と教えてあげられるように、辞書を使って意味を調べることをお勉強したいと思います」
子どもたちの気持ちが、とても素直に意味調べの学習に向かっていくのが、後ろから見ていて分かった。
学習に取り組むためには、その意義づけが必要で、その意義も子ども一人一人で実は違うんだろうな・・・と思った。昇平が3年生になって、学校でも上級生の立場になってきた今だからこそ、この話が効果を生むのだろう。
決して杓子定規ではない、担任ならではの子どもたちの把握というのがあるのだな、とすごく感じた。

プリント学習では、内容を短く区切りながら、丁寧に取り組んでいるのが印象的だった。
また、そのペースが子どもたちにはちょうど合っているのを見て、「あ、私が家庭学習でやらせていた国語は、分量が多すぎたんだな」と気がつくことができた。どうりで最近、国語をやらせようとすると、昇平が「難しい! できないよ!」と文句ばかり言っていたわけだ。
いや、決して「できない」わけではない。じっくり読んで、じっくり考えればできるのだけれど、例文が長々と載っていたり、問題がたくさん並んでいたりするのを見ると、それだけで「できない!」と始まってしまうのだ。
「今日一日で終わらなくてもいいよ。できる分量ずつ、進んでいこうね」と言えば、本人も納得して取り組めるようになるかな・・・。
いくら分量だけ進んだって、本人が自分から取り組んで考える気持ちにならなかったら、身に付かないものね。
そう考えたら、ちょっと前向きな気持ちになってきた。

以下、次回に続く。

[04/10/06(水) 13:25] 学校

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