昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
フリー参観・おまけ〜稲月先生〜
さて、ようやくフリー参観レポートも最終回。
授業の様子については3回に分けて書いたとおりですが、もうひとつ、私が参観していて気がついたことを、おまけに書いてレポートを終了したいと思います。
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情緒障害児学級のゆめがおか2には、担任の他に、もうひとり補助の先生が入っている。
教員免許は持たないけれど、子どもが大好きでご自身もお母さんの、稲月先生。
算数の回に書いたとおり、稲月先生は自分から教科指導をすることはない。(というか、教員ではないので、教えることはできない。)
でも、見ていると、子どもたちに手助けが必要な場面になると、本当にさりげなく、すっと手をさしのべたり、アドバイスをしたりしている。
子どもたちも、森村先生とはまた別の存在として、稲月先生を受け止め、休み時間には話しかけたり一緒に遊んだりしていた。昇平も、稲月先生と折り紙をするのが大好きだった。
役割としては、森村先生がクラスの引率、指導役で、ときにはちょっと厳しく言い聞かせる場面も出てくるけれど、一方の稲月先生は子どもたちをふわりと受け止めて、心を落ち着かせてくれる役目といったところだろうか。
森村先生が、特別な活動に参加する子についていくときには、稲月先生がクラスに残った子どもたちを監督。かとおもうと、協力学級に学習に行く子に、稲月先生がついていって、その子の学習の様子を森村先生に報告してくれたりもしていた。
障害児学級は、個別の対応の必要な場面が多く出てくるので、稲月先生のような補助員の存在は、非常に大きい。
けれども、実は、このフリー参観の日で、稲月先生の任期は終了になってしまったのだ。
半年一期の契約で、継続は二期まで。それ以上連続して配置されることは、取り決めで禁止されているのだという。
フリー参観の最後の最後になって、稲月先生と今日でお別れだと聞かされた子どもたちは、一様に驚いた顔をしていた。
それでも、「泣いてしまうと、稲月先生が心配な気持ちのまま、さようならしなくちゃならなくなるから、泣かないでお別れしようね」と森村先生に言われて、子どもたちは懸命に平静を保とうとしていた。
約束通り、涙はなしでお別れをして・・・でも、帰り道、車の中で昇平が言った。
「明日からはもう、稲月先生は来ないの? もう会えないの?」
「どこかでまたきっと会えるよ」
そう答えながら、でも、本当はもっともっと稲月先生にいていただきたかったな、と私は考えていた。
子どもたち一人一人の個性や特徴を飲み込んで、うまく対応できるようになるまでには数ヶ月がかかる。そのあと、担任との連携やら、いろいろな場面でのやり方が上手にいくようになるまでに、また数ヶ月。
最近では、森村先生もすっかり安心して、稲月先生に留守を頼んで出張できるようになっていた。
先生も子どもたちも、双方で慣れた頃に、必ずやってきてしまう「別れ」・・・。
良くない先生と長くおつきあいするのは辛いけれど、良い先生にはできるだけ長く関わってもらいたい、と心から思う。
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それでも、校長先生は、できるだけ早く後任の補助の先生を、とがんばってくださった。
校長先生がおっしゃっていた。
「誰でもいいってわけじゃないですからね。・・・やっぱり、何よりも子どもをかわいいと思ってくれる人でないと、お願いできないから」
その甲斐あって、ブランク1週間程度で、新しい補助の先生が入ってきた。
西田先生。稲月先生とは少しタイプが違うけれど、やっぱり「子どもが大好き!」というオーラのあるお母さん。さっそく森村先生との連携も始まっている。
この方なら、また、きっとうまく行くな、と思って眺めている。
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稲月先生、1年間、本当にお世話になりました。
稲月先生のおかげで、子どもたちは安心して学校生活を過ごすことができました。
そして、西田先生。これからどうぞよろしくお願いいたします。
たくさんの人たちの支援を受けながら育っていく、ゆめがおかの子どもたち。
たくさんのたくさんの人たちに、見守られながら・・・。
こんな素敵な連携が、いつまでもこの学校で続くように。
そして、他の学校でも、良い人の輪が広がっていくように。
私は、いつもそれを願っている。
[04/10/22(金) 11:25] 学校