昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

昇平、語り部になる


昇平はお試し期間を終え、無事、学童を変わることができた。
児童館より遠い場所にあるので、歩いていくのが少し大変だけど、昇平はいつも車でばかり移動しているので、ちょうど良い運動になっているような気もする。町中を歩くことで、町並みも覚えられるのもメリット。
新しいお友だちもできたし、指導員の先生方もよく理解してくださっているし、たくさん遊ぶこともできるし・・・なので、昇平は毎日楽しく学童に通っている。

さて、昨日の夕方、学童に迎えに行ったときのこと。
火曜日は昔話の日で、語り部(かたりべ)で有名なお話おばさんがやってきて、子どもたちにいろいろ昔話を語ってくれることになっている。私が中に入ったとき、ちょうどそのお話が終わるところだった。
指導員の鴨原先生が、ニコニコと私の所にやってきて、こう教えてくれた。
「昇平くんが変わり桃太郎のお話を語ったんですよ。それが面白くて、みんなから、面白い面白い、って大評判だったんです」
先生がデジカメで撮った写真も見せてもらったが、昇平はお話おばさんと並んで座って、前に並ぶ子どもたちに向かって話をしていた。
1年生の女の子たちもやってきて、口々に言った。
「昇平くんの桃太郎、おもしろかったー!」
「すごくおもしろかったー!」
おやおや、まあまあ。
「昇平くんは、どんな桃太郎のお話をしたの?」
とその子たちに聞いてみたら、
「えーとね、栗太郎が出てくる話なの」
と教えてくれた。
ははは、なるほど。桃太郎のパロディを創作して語ったわけね。

帰りの車の中で、昇平に、どんなお話をしたのか聞いてみた。
以下は、昇平が話してくれた「栗太郎」の物語。

   ☆★☆★☆★☆

おじいさんが山へ芝刈りに、おばあさんが川に洗濯に行くと、川を大きな「栗」が流れてきました。
おばあさんはそれを家に拾って帰って、包丁で切って食べようとすると、中からまた栗が出てきました。それをいくつも切っていくと、最後に栗太郎が生まれました。
栗太郎は大きくなって、マッスルマッチョマンになりました。
鬼退治に出かけました。鬼の親分の頭を切ったら、また頭が出てきました。本当は刀の反対側で叩いていたんだ(みねうちのことか?)。トリックだったんだよ。
鬼はごめんなさいを言いました。本当は優しい鬼で「いつでも挑戦してこい」って待っていたんだよ、と言いました。鬼は宝物を半分栗太郎にくれました。栗太郎は宝をもらって帰りました。

   ☆★☆★☆★☆

「残酷なのはまずいと思ったから、鬼をこういうふうに優しい鬼にしたんだよ」
と昇平が説明してくれた。
なぁるほどねぇぇ〜・・・・・・

寝る前の昔語りや創作話は、昇平が小さい頃からずいぶん聞かせてきたし、そういえば、最近は母が語った話を自分なりにアレンジして、ケラケラ笑いながら語って聞かせてくれたりもしていたけれど・・・。
大勢のお友だちを前にして、自分の考えたお話を語れるまでに成長していたのか、と、母は感心してしまったのだった。

でも、それができたのも、そういうことを許してくれる雰囲気と、お友だちがいたおかげだね。
児童館も良かったけれど、今度の学童は、昇平には本当に大当たりの環境のようだ。

[04/11/17(水) 05:57] 日常

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