昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

リタリン減薬観察記録・1

2005年あけましておめでとうございます。今年も昇平てくてく日記を、どうぞよろしくお願いいたします。

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さて、今年一番の話題は、いきなり薬の話。
実は年末に主治医と話し合って、試験的にリタリンを減らして様子を観察しているのだ。

昇平がADHDの治療薬リタリンの服用を始めたのは、4才4か月のとき。たいていは適量が見つかるまで調整期間が必要になるのだが、彼の場合は最初の処方でうまく決まり、一日15mgの量を朝昼2回に分けて服用するようになった。リタリンは土日や長期休暇には休薬することも多いのだが、様子を観察するうちに昇平には合わないと感じられたので、休薬日も設けなくなった。
以来5年間、昇平はリタリンを飲み続けている。処方量もずっと同じだが、体がどんどん成長しているのに量が変わらないということは、相対的に減ってきていることになるのかもしれない。彼はリタリンに耐性ができにくい体質だったようで、飲み続けていても効き目が落ちてこないのも幸いだった。

そうするうちに、日記でもご承知の通り、昇平はずいぶん成長して行動も落ちつき、いろいろなことが分かるようになってきた。夜になってリタリンが切れても、以前のように大きく行動が変化することはなくなった。確かに日中よりは落ちつきなくなるが、「なんだか落ちつかないみたいだねぇ」と声をかけると、「ぼく、落ちつくよ」と返事をして、椅子に座る、走り回らずに歩く等の行動を見せるようになった。自分の行動を自分でコントロールしようとする意志が育ってきているのだ。
話しかけたときの反応や受け答えのしかたも、ずいぶんしっかりしてきた。物事の理解も良くなってきて、「これはどういうことかな?」と自分なりに考えたり質問したりすることも増えている。
こういう状態を受けて、主治医から「リタリンを減らせるかどうか観察してみましょう」という話が出てきたのだ。「お母さんの判断で、2/3とか1/2に減らしてみていいですよ」と。
時期は冬休み中。学校で問題やトラブルが起こらないと読んでの話だったのだが、それだけの判断を親である私に任せてもらって、嬉しいような、ちょっと緊張するような気持ちがした。

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減薬は12月28日から始めた。午前中学童に行っていたので、朝は普通の量を飲ませ、2回目の昼の薬だけ通常の2/3量にしてみた。
本人には特にその意味を教えなかった。というか、昇平には薬の効用をまだ教えてないのだ。今の段階で薬の効果を話してしまうと、変に薬に頼る気持ちが昇平に生まれそうで、それが怖いのだ。薬はあくまでも補助であって、がんばって成長しているのは彼自身の力だから、それが理解できるようになるまでは話したくないな、と考えている。
初日。午後の行動に特に変化はなし。床屋に行って散髪してきたが、しかにもよくがんばっていた。顔を剃ってもらうときだけ、くすぐったがって騒いで顎をちょっと切ってしまったが、それは良い授業料だったと思う。次回は絶対に動かないようにがんばるだろう。
これだけ変化がないなら大丈夫だろうか、と思っていたところ、夕方からかなり落ちつかない状態になった。リタリンが切れる時間帯だし、日中床屋をがんばったからその疲れが出たかな、と思いながら見ていた。

翌日の水曜日も、朝は通常量で学童に行かせ、午後から2/3量にした。折しも福島は今年初めての積雪で庭が真っ白。お兄ちゃんと2人で楽しそうに雪遊びをしていた。特にトラブルもなく、楽しそうだった。
ところが、夕方からまた急激に落ちつきがなくなった。トラブルはないが、とにかく落ちつきなく動き回り、すぐに何かを思いつき、陽気に喋り続ける。日中の雪遊びの疲れか、それとも・・・と思いながら眺めた。

木曜日は学童も冬休みに入ったので、朝昼とも2/3量にして観察した。ほぼ一日中、祖母や兄、母から「落ち着きなさい」「危ない」「気をつけて」と言われ続けていた。主人以外の家族には、昇平がリタリンを減らしていることは教えていないのだが、皆、示し合わせたように同じことを言っている。それだけ、昇平の行動が落ちつきなくて危なっかしいということなのだ。
午前中、冬休みの宿題をするのにも、不満たらたらの状態だった。かんしゃくを起こすが、なんとか気持ちを立て直してやり終えた。文字はあまり丁寧ではなかった。
午後からは庭でまたお兄ちゃんと雪遊び。1時間くらいして、お兄ちゃんが「寒い寒い」と家に入ってきても、まだ庭で遊び続けていた。30分以上過ぎても入ってこないので声をかけに行くと、寒さと疲れで無表情になりながらも、雪で戦艦を作るのに夢中になっていた。行動の切り上げができなくなっていたらしい。「温かいスープを作ってあげるからもう入りなさい」と言うと、素直に従った。
夕食後、ズボンにトレーナーの裾を入れようとして「きつくて入らない!」と大爆発。トレーナーの裾は外に出して着るのだ、と言ってもまったく承知しない。兄が「かえって入れた方がかっこわるいぞ」と笑うと、「お兄ちゃん、笑うな!!」と大爆発。さらに母にも「お母さんも笑うな!」。一時はこちらの話にはまるで聞く耳持たずの状態。落ちつかせてから改めて話をしたら、なんとか承知して、トレーナーの裾を外に出して着るようになった。保育園時代、服の裾をズボンにきちんと入れるように指導されたのを思い出したらしいが、なぜ今頃突然に?
夕方に行動が大きく崩れるのは、毎日共通している。雪遊びの疲れのせいだろうか? とにかくテンションが高くて、気持ちのアップダウンが激しい。

金曜日は大晦日。雪遊びもしたが、もっぱらパソコンを楽しんでいた。パソコンに熱中しているときは行動も比較的静か。夕方から、年越しのごちそうが気になって台所をうろうろしていた。ハイテンション。「昇平、ちゃんと薬飲んでる?」とお兄ちゃんが聞いてきた。さすがに兄弟は鋭い。

翌土曜日は1月1日。朝、2/3量を飲ませる。初詣に出かけたが、お兄ちゃんから何度も「落ちつけ!」「少しは落ちつけったら!」と言われる。私も「危ないから気をつけて!」と何度も声をかける。とにかく行動が急激で、何かにぶつかったり、車に気がつかずに道路に飛び出していきそうな感じで目が離せない。
ここまでの行動観察で、これは冬休みや年末年始の雰囲気に影響を受けているだけじゃないな、と判断した。多動・衝動性と感情のアップダウンが激しくなっている。やはり、2/3量のリタリンでは昇平には足りないらしい。午後からは郡山市の私の実家に帰省することになっていたので、そこからは量を増やすことにした。(以下、次回に続く)

[05/01/03(月) 09:23] 病院 薬 日常

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