昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

不安と人形


金曜日、昇平が行っている学童で4・5月生まれの人のお誕生会があって、ケーキ作りをしたらしい。以下は指導員の鴨原先生からの話。

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今日も落ち着いて下校してきて、ファミコンの絵を描くから見て、と鴨原に声をかけ、しばらくの間、ツインビーや色々なゲームの話をしました。
しばらくすると誕生会のケーキつくりになり、さっと席に着き友だちと交互にクリームを絞ったり、スプーンでならしたりしながらケーキ作りをしていきました。とてもおいしかったらしく、あっという間に平らげ、自慢げに皿を見せ「もう食べちゃった」と話してきました。とても楽しかったようです。

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写真はその時のもの。ロールケーキ(市販品)の上に昇平が一生懸命クリームを絞り出しているが、隣の子まで同じような手の形になって、一緒に絞っている気持ちになっているのが、なんともかわいらしい。
こんな様子を見ただけでも、昇平が学童にすっかりなじんでいること、友達と一緒に楽しく過ごしていることが分かって、親としては本当にホッとする。

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実は連休明けあたりから、昇平は情緒的に少し不安定になっている。
もともととても怖がりで、いろいろなものを怖がっては、それを片づけてもらいたがったり、近寄らないようにしたりしているのだが、連休明けから突然「押入に片づけてあるウルトラマン人形と怪獣の人形が怖い」と言いだしたのだ。
何がきっかけだったのかはよく分からない。もしかしたら、雑誌か何かに押入の中の人形が動いたとかいう怪談が載っていて、それをたまたま読んだのかな、などとも想像しているのだが、本人が絶対にそれを話そうとしないので、本当のところは分からない。ただ、とにかく、部屋の押入にある人形を怖がっていて、人形が押入の戸を開けて出てくるのではないか、と本気で心配するようになってしまったのだ。(本当にそんなことが起こったら、母だってすごく怖いけど)
「ウルトラマン人形を誰かにあげてちょうだい」とも本気で頼んでくる。
ところが、このウルトラマンと怪獣の人形は、お兄ちゃんが小学生の頃大事にしていた思い出の品。高校生になった今はもう、遊ぶはずもないのだけれど、だからといって処分してしまうのもどうか、という代物なのだ。
様子を見ていたけれど、昇平の怖がりがますますひどくなるようなので、とりあえず押入から人形の籠を出して、庭の倉の2階に持っていった。目の前で運んでいくわけにはいかなかったので(見るのも怖がっているから)、昇平が学校に行っている間に移動したら、部屋の押入からなくなったことに安心した反面、本当に倉にあるのか、倉から人形が這いだしてくるのではないか(だから、ホントにそんなことが起こったら怖いってば!)、と心配はまだ尽きないらしい。なんとなく、人形そのものが怖い、と言うより、たまたまそういう精神状態のところに、ウルトラマン人形がはまった、という感じもする。これで人形を本当に誰かにあげてしまったら、また別の物を怖がりはじめるんじゃないだろうか。

連絡帳を読んでみても、学校生活は順調に進んでいて、不安の原因になるようなことは見あたらない。学童も、上記の通り、むしろ彼の安心の場になっている。家庭生活の中にも、特に不安定になる材料はない。ただ、昇平だけが妙に怖がりになっている。
とすると、やっぱり運動会の練習で疲れているせいかもしれない。運動会が迫っているので、学校では毎日のようにその練習が行われているのだ。
いや、昇平は、しかにもよくがんばって練習しているのだ。苦手なラジオ体操も、お友だちを見習いながら、先生の指示を聞きながら、一生懸命練習していた、とドウ子先生から報告もあった。本人が運動会を嫌だとか、練習が大変だ、とか言うことも一度もない。ただ、昇平が不安定になり始めた時期と、運動会の練習が本格的になってきた時期が一致すること、くたびれて夜とても眠そうになっていること、ひとり遊びの時間が長くなっていることなどから判断すると、やっぱり反動なのかも・・・と思うのだ。
きっと、昇平は学校でとても一生懸命、運動会の練習に取り組んでいるのだ。がんばってがんばって、そして、学童に迎えに来た母の顔を見ると、一気に気持ちがゆるんで、ほろんと不安な気持ちが頭をもたげてくるんじゃないだろうか・・・?

とりあえず人形を倉に片づけたので、少しは安心したらしい。運動会までの1週間、このままで様子を見ていこうと思っている。
そんなこんなの家庭の様子なので、学童や学級が安心して過ごせる場所になっていて本当に良かった、と思う。
子どもの居場所は、多ければ多いほど良い。

[05/05/14(土) 13:12] 学校 日常

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