昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
不安と人形・7−”ぎゅっ” と ”のんびり”
昨日、昇平が帰宅してから、やっぱり「ボルン署長が」「学校のABCの本が」と繰り返し言い出した。そこで、Y先生に言われたように、「それは疲れているから言いたくなるんだね。休んでいいんだよ」と言ってあげたら、「それはそうかもしれないけど、そういう意味じゃないんだ」といわれてしまった。その大人びた言い方にびっくり。でも、考えてみたら確かにその通りだと思ったので、「疲れているから心配になっちゃうんだね、よしよし」と言って、ぎゅっと胸の中に抱きしめてゆらゆら揺れてやったら、しばらくして、落ちついた顔になった。不思議なことに、ことばだけで「言わないで」と返事をする時より、ずっと長い時間、昇平は「ウルトラマン」や「ボルン署長」を言わなくなり、やがて、不安になると「また心配になってきちゃった」と言って駆けてくるようになった。そこでまたぎゅっと抱きしめてやると、安心して離れていく。それをくり返すうちに、昇平の顔がだんだん明るくなってきた。
抱きしめるうち、少しずつ、昇平が話も始めた。
「夏休みっていつ?」
7月だよ。待ち遠しいの?
「うん」
夏休みになったら、何をしたい?
「のんびりしたい」
昇平くんの”のんびり”っていうのは、どうすることなの?
「こう横になってね(と肘枕をする格好をして見せて)鼻をほじくるの」
えー! 横になるのはいいけど、鼻をほじくっちゃダメよ。汚いし、鼻血が出ちゃうよ! と言って、思わず大爆笑。
昇平も久しぶりに声を立てて笑い出した。
今朝もこんな話をした。
「運動会っていつ?」
今度の日曜日だよ。
「あと何日?」
いちにい・・・今日を入れて4日だね。もう少しだ。もうひとがんばりだね。
「うん」
そんな会話をしたら、今朝は元気に登校していった。教室では、友達と教材の電動カーで楽しそうに遊んでいた。まだ時々「ボルン署長」などと言うけれど、回数はとても減っていた。
少しずつ、元気になってきたように見える。
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そうそう。昨日の午前中にがんばって片づけた部屋も、昇平に気に入ってもらえたようだ。
ネットにつながっていない古いノートパソコンを、自分専用にさせてもらえたことが、一番嬉しかった様子。何度も何度も、自分の怖いサイトには絶対に行けないことを確かめ、納得したら、とても安心した顔になっていた。
昇平が今まで使っていたお絵かきソフトもインストールしてやったし、これまでのお絵かきデータも、今日の午前中に無事にコピーできた。安心できる部屋で安心してパソコンを楽しめるようになったら、もっと落ちつけるかな。
本当に、運動会は間近。もう一息だね、昇平。
[05/05/18(水) 12:47] 学校 日常