昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
不安と人形・8−遊びを見つけながら
5月18日(水) 記録者:ドウ子
運動会の全体練習に参加していないお子さんが何名かいるなか、ずーっと集団に合わせて、しかもがんばっている昇平くんの姿を見ながら、精一杯なんだろうなぁ・・・などと考えていました。
2時間目の全体練習と、3時間目の学年練習の合間の、わずかな休み時間には、自由帳にゲームの画面らしき絵とそのルールを真剣に書き込み、”これが昇平くんの息抜きなんだろうなぁ”と思わされました。
「カービィ」「ボルン署長」は、運動会の練習中は、そばにいても1回も言われませんでした。朝3回くらいと、給食後半、目があった時に1回言われましたが、昨日に比べれば「ほとんどない」状態でした。今後も気をつけて様子を見ていたいと思います。
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5月18日(水) 記録者:母
学童に迎えに行ったときだけは、立て続けに「ボルン署長」「○○って言わないで」と10回くらい行っていましたが、その後は、ちょっとした折りに出てくるだけで、家での回数も激減しました。ことばは無意識で出てくるようで、言ってから「違った。えーと、あのね・・・」と本当に話したいことを言い直したりもしていました。自分でも完全にセーブするのは無理なようです。「泥棒さん、って言っちゃうのは恥ずかしいんだけどね(しかたないんだ)」と自分で言っていました。
今日はぎゅっと抱きしめてあげる回数も少なくなって、ほんの1,2回だけ、それも自分から『もういいよ』という感じで離れていきました。
運動会の練習は、自分でもがんばったという自覚があるのか、とても誇らしそうに報告してくれました。給食で苦手なグリンピースを4粒がんばって食べたことも教えてくれました
帰宅したら、新しい「チャレンジ」が届いていて、さっそく自分から筆算のドリルに取り組んでました。その問題を解くと、ゲームのキーワードが分かるようになっていて、「敵の弱点は○○だったんだよ!!」と得意そうに教えに来てくれました。
夜は、赤と青のセロハン(これもチャレンジの付録)を使い、赤と青の鉛筆で絵を描いて、セロハンを重ねて絵が変わって見えるのを楽しむ、という遊びを母子でしました。(ちなみに、昇平が自分から思いつきました。)昨夜は、とても笑顔の多い昇平でした。
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そして、今朝。
朝起きた時から、昇平は「牢屋に入れられた泥棒は、ちゃんとごはんを食べさせてもらえるの?」と何度も聞くようになってきた。心配事がまた別のことがらにスライドしたのだ。「もちろん、ちゃんと食べさせてもらえるよ。朝昼晩って、給食みたいな食事が出るんだよ」と教えると、その時は安心した顔をするものの、またしばらくすると「泥棒はご飯を食べさせてもらえる?」と聞いてくる。
でも、やっぱり彼はそんな自分の状態をどこかでモニターしている。教室に入って着替えを済ませてから、私に向かってにっこりしながら、こんなことを言った。
「泥棒の食事の話にすれば、カービィの話じゃないから大丈夫だよね」
・・・なんだか、ちょっと切なかった。
運動会まであと3日。練習の合間、授業の合間を見つけては、いろいろな遊びを考えている。
昨日は、理科の教材のモーターカー(電流の実験のための教材)にプロペラを取り付けて飛ばして遊んでいたが、やがて、プロペラのかわりに画用紙を取り付けてみたり、果ては、隣のクラスに粘土を借りに行って、それを取り付けたりしていた。ドウ子先生が「粘土は重いから無理だよ・・・」と言っていると、「ろくろにしたいんだよ」と昇平。モーターの上に粘土を取り付けて、茶碗作りに挑戦していたらしい。
そんなふうにして、がんばる時と楽しむ時を切り分けながら、昇平だけでなく、ゆめがおかの子どもたちみんなが運動会に臨んでいる。本当に、運動会っていうのは、競争で1位になる2位になる、だけのことじゃないなぁ・・・と、彼らを見ていて心から感じる。
素敵な運動会になるといいね。
[05/05/19(木) 09:31] 学校 日常