昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

不安と人形・12−運動会当日その2

【鼓笛パレード】

これは、昇平が出ていたわけではない。5年生のDくんが参加していたのだ。一生懸命足を上げて行進し、鍵盤ハーモニカをひいていた。隊列移動もちゃんとやっていた。
できて当然のように見える鼓笛パレード。でも、ゆめがおかの子どもたちにとっては、これはかなり高度な要求なんだよね。立派に演奏しているDくんに心の中で拍手を送りながら、『来年は昇平の番かぁ』とちょっと心配になった。
とはいえ、Dくんも昇平も、保育園時代に鼓笛パレードは経験してきている。「経験があるのは得かもね」とDくんのお母さんと話し合った。


【スーパーつなひき】

4年生と5年生が力を合わせての綱引き。幸い、今年は5年のDくんも昇平も同じ白組。Dくんのお母さんと、心ゆくまで(?)白の応援をした。
最初は4年生が綱を引いているところへ、5年生が応援に走ってくる。2回目は5年生が引き合っているところへ、4年生が応援に。なかなか迫力がある。
結果は、2回とも惜しくも白の負け。勝負は次第に赤が優勢になっていた。

余談だけれど、この後、PTAや先生方による「模範的紅白玉入れ」というのがあって、Dくんのお父さんが白組に参加していた。Dくんもその弟くんも今年は白組だったからだ。「お父さん、負けたら大変だー」「責任重大だね」などと、Dくんのお母さんと一緒に冷やかしていたのだけれど、結果は白の圧勝。Dくんのお父さんは、子どもたちに面目躍如していた。


【リレー】

20点差で迎えた最後の上級生による紅白対抗リレー。リレーの結果次第では、一発逆転のチャンスもある。いやが上にも盛り上がる会場。子どもたちも親たちも、応援合戦に熱が入る。遠くてはっきりは見えなかったけれど、どうやら昇平も一緒に立ち上がって応援しているようだった。Dくんのお母さんと私も「白、がんばれー!!」と応援していた。
結果、白組は本当によく健闘していた。けれども、わずか5点差で、赤の勝ち。白組の子たちにがっかりした表情が広がっていった。
でも、よくがんばったよね。最後まで力を出し切って、本当によくがんばったよね。
うん、いい運動会だったね・・・・・・


   ☆★☆★☆★☆

としめくくりたかったのだけれど、ここで、最後の最後におまけのトラブルが起きてしまった。
遠目には負けても落ちついていたように見えていた昇平だったのだけれど、教室に戻るのに椅子を運んでいる途中、隣を歩いていたまったく知らない女の子を「赤組だったから」「よくも白に勝ちやがったな」と突然お腹にパンチを食らわせて、泣かせてしまったというのだ。
私は一足先に教室に戻っていたので、トラブルは知らなかったのだが、ドウ子先生と女の子の担任が2人の話を聞いて、昇平が謝り、女の子も許してくれたらしい。
あぅー・・・油断した。確かに昼休みの様子からすれば、白が負けたことを昇平が怒っていても当然だったのだけれど、まさかそんな衝動的な行動に出るとは思っていなかったから。

成長して、自分から「がんばろう」と努力できるようになった昇平。だからこそ、その気持ちに心がついていけなくなって、ときどき不安定になったりしたけれど。同じように、成長したために、「負けるのは悔しい」「絶対に勝ちたい」という気持ちが生まれてきて、それがトラブルを起こす。
今年の運動会は、本当に、今までとまったく違った課題を見せられる結果になってしまった。ただ運動会に参加できればいい、という段階ではなくなってしまったのだ。もっと精神的なものが問題になってきている。それは、昇平が高学年になっていけばいくほど、大きくなってくる課題なのだろう。

運動会が終わり、「ウルトラマンが」「泥棒さんが」ということばもほとんど出なくなった今日。
新しい課題がまたスタートしたのを感じて、やれやれ、子育てのゴールは本当に遠いなぁ、と考えてしまっている。

[05/05/23(月) 11:32] 学校 日常

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