昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
トラブル続出・5〜青空と土砂降り〜
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最近のトラブルに共通しているのは、とにかく、人との関わりがうまくできなくて起こっている、ということ。運動会直後に負けた悔しさから敵組の女の子にパンチしてしまったこともそうだ。
友達と関わりたい。社会的にうまく行きたい。でも、それが思うようにならない。悔しくて騒ぐ、つい手が出る。
それだけ本人の社会性が伸び、友達や社会的な価値を求めるようになってきたからこそ、起こるようになってきたトラブルなのだ。
でも、「だから関わるな」とは、私は絶対に言いたくない。
殴ってしまった女の子には、大通りで悪口を浴びせられた男の子たちには本当に申し訳ないと思う。せっかく優しいことばをかけてくれたのに、「女となんか帰れるか」と言われてしまった女の子たちにも、ものすごくすまないと思う。
だけど・・・この経験を積んでいかないと、昇平はいつまでたっても、適切な人との関わり方を覚えることができない。
人と関わるための方法は、人との関わりの中でしか身につかないことだから。
ひとつ成長の階段を上がると、新しい問題が発生するのは、なにも障害児に限ったことではない。
けれども、障害児の場合、問題の程度はやはり大きい。成長したと喜んだとたん、思いがけないしっぺ返しを食らった気がして、親はドンと落ち込む。
冷静に対応を考えたように見えるかもしれないけれど、実際には私も1日以上どん底まで落ち込んで、「もう十分だ! こんな子育てはもう続けたくない!」とまで考えた。だけど・・・やっぱり投げ出せない。私は母親だから。
親だからこそ落ち込む。親だからこそ、血のにじむような想いでまた立ち上がる。
障害児の子育ては、この連続なのかもしれないな、とも考える。ただ、その合間にはまばゆいばかりの喜びや楽しみもちりばめられていて。
以前、掲示板に書いたことを、ふっと思い出した。
「障害児の子育てには、いいことも悪いことも、嬉しいことも悲しいことも、楽しいこともつらいことも、みんな同時にある。でも、それは、普通の子育てをしていたって同じこと。ただ、この子たちを育てていると、そのそれぞれが、本当に鮮やかに感じられる。つらさも鮮やかなら、成長を発見した時の喜びもまた、劇的なほど鮮やか。」
自分で書いたことばなのに、今、それを改めて噛みしめてしまっている。
さあ。立ち上がろう。また、歩き出そう。
嘆いていたって、この子はその間にも成長を続けていく。
座りこんでいたら、この子に置いてきぼりにされてしまう。
それならば、一緒に歩いている方がいい。その時々に、泣いたり笑ったり、いそがしく様々なことを経験しながら。
それでも、ふと気がつくと、前よりずっと先の方までやってきていた。そんな日がきっと、来ると思うから。
いつまでも続く青空はないけれど、いつまでも続く土砂降りもないのだもの。
[05/06/03(金) 01:04] 学校 日常