昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

物語

今、寝物語にアンデルセン童話を読んでやっている。今夜の話は「大クラウスと小クラウス」。2人のクラウスという男がいて、ひとりは金持ち、もうひとりは貧乏。でも、貧乏なクラウスは知恵(ほとんど悪知恵とも言う)を使って、金をどんどん手に入れ、大クラウスを出し抜いていく・・・という物語。まだ1/3くらいしか聞かせていないけれど。
「ぼく、お話の場面を絵に描くよ」と言って、紙と鉛筆を持ってきた昇平。私が読む物語を聞きながら、さらさらと鉛筆を走らせていく。単純な棒人間だけれど、物語を忠実に場面にしていくのには、びっくり。ほとんど同時進行。これって・・・すごいかも。
しかも、物語を正確に理解しているのが、絵を見て分かった。うーん。いつの間にこんなに理解できるようになっていたんだ? ことばの言い換えさえ、ほとんど必要なかった。ときたま、分かりにくいことばを補足説明してやれば良いだけだった。

昇平に障害があると分かったばかりのころ、発達相談会で今の主治医に尋ねたことがある。
「昇平はことばが遅れていますが、ことばを促すのには、どうしてやればよいですか?」
主治医は、そうですねぇ、と言ってから、
「物語をたくさん聞かせるといいですよ。それも、絵本のように絵があるものではなく、耳で聞いてストーリーを理解するような、物語のテープとかを聴かせるといいと思います」
それから、無理にことばを教えるようなことはしない方がいい、とも釘を刺された。
当時の昇平は、どんなに単純な物語も聞いて理解できなかったので、そのアドバイスはしばらくそのままになっていた。
やがて、ことばを厳選すれば、短い物語なら理解できるようになったのに気がついて、創作物語を聞かせるようになった。
それが次第に長くなり、創作ものだけでなく、昔話や落語も思い出しながら語り聞かせるようになり、『フルート』シリーズのような複雑なものまでOKになり・・・
気がついたら、こんなふうに、文章で読み上がられた物語も、ちゃんとイメージ化できるようになっていた。
ここまで来たのかぁ・・・と正直びっくりしている。だって、母はそんなこと、全然期待していなかったから。実を言えば、主治医のアドバイスだって、ほとんど意識していなかったのだ。ただ、昇平に物語を話して聞かせて、昇平がそれを楽しむ様子を見るのが、楽しくて楽しくてしかたなかっただけだから。

そのうちに、昇平は自分でも物語を読み始めるかもしれない。これだけ忠実にイメージ化できるなら、挿絵がなくても、きっと理解できることだろう。
子どもの成長の力のすごさ、時間の持つ力のすごさを、なんだか改めて感じている。

[05/06/19(日) 00:23] 日常

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