昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

特別支援教育に思う〜NHKの取材を受けて〜

昨日、NHK福島のディレクターさんと話をする機会があった。R.Mさんとおっしゃる女性の方で、我が県での特別支援教育の現状に興味を持って、親がそれに対してどんな期待をしているのか知りたい、と私が所属する親の会に申し込んできたのだった。
番組を作るための取材ではなく、純粋に話を聞き、話をするだけの取材だったが、我々親の話にとても熱心に耳を傾けてくださる方で、話していてとても嬉しかった。話に熱中していて、気がついたら、昼も過ぎて1時近くになっていた。

特別支援教育が文部科学省から打ち出され、文科省と厚生労働省の協力の下、軽度発達障害者支援法が成立し、さて、世の中はどんなふうに変わっただろうか? と考えると、実際にはまだそれほど変わっていなかったりする。
特別支援に関するガイドラインの試案が各小中学校に配布され、昇平のような子どもたちをしっかり把握して支援するように、とお達しはあったものの、現場では何をどう支援したら良いのか分からなくて、あたふた・・・なんて学校もたくさんある。
でも、今回の取材を受けるに当たって、『とーます!』のメンバーとメールのやりとりをしていて、ふと思い当たった。
「ADHD(LD、アスペルガー)なんて障害は存在しない」「親が自分の子育てのまずさを障害のせいにしているだけなんだ」と頭ごなしに言う学校の先生は、ずいぶん少なくなったぞ、と。
今からつい2、3年前まではよく聞いていたセリフだ。(うちが聞いていたというわけではないけれど) 軽度発達障害が「軽度」であるゆえに、障害そのものを否定されることがしょっちゅうだったのに、今では「そういう障害がある。普通学級にいられるくらいの程度ではあるけれど、やはり支援が必要な子どもだ」ということが、大前提になりつつある。
これは、特別支援に関する文部科学省と厚生労働省のさまざまな取り組みと発令のおかげなんだろう。親が学校に対して「これは障害なんですよ!」「配慮と支援が必要なんですよ!」と声を枯らして言わなくてはならない回数が(以前よりは)確実に減ってきているのだ。
実際に変わるのはこれからだし、まだまだ現場には軽度発達障害児(を含む、配慮の必要な子どもたち)への理解や、対応のノウハウの蓄積は足りない。それはこれからだけれど・・・。
軽度発達障害の存在を確認すること。まずはこれがスタートラインだったんだ、と取材を受けながら、改めて感じてしまった。

福島県では県就学審議会の発展形として、特別支援教育推進会議というのを立ち上げるという。うちの会の代表も、そのメンバーに選考されたらしい。県教育委員会は、親の声もしっかり吸い上げながら、実行力のある特別支援教育を目ざそうとしてくれているのかもしれない。
一朝一夕に成り立つことではないけれど、確実に前進していってほしいな、と期待している。

[05/06/24(金) 11:47] 学校 行政

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