昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

「相手」の意識

最近の昇平は、本当に「相手」というものを意識するようになっている。
誰かと一緒に遊びたがるのはもちろんのこと、ちょっとしたことばや行動の端々からも、それを感じることが多い。

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【エピソード1】

学童に迎えに行ったら、昇平が本棚の雑誌に載っていたゲームの攻略本を、すごく一生懸命読んでいた。それは、お兄ちゃんやお父さんがよくやっているゲーム。私の顔を見ると、昇平が言った。
「ちょっと待ってて、これ写していくから!」
そして、一生懸命ゲームの裏技を書き写しながら、笑顔でこんなことを言った。
「すごい裏技がいっぱいなんだよ! お兄ちゃん、これ見たら喜ぶかなぁ」
残念ながら、実際にはお兄ちゃんはその裏技は全部知っていたのだけれど、昇平がそんな行動を取ったことに、旦那と2人で「へぇ〜」と感心してしまった。


【エピソード2】

昇平は今、「メイプルストーリー」というオンラインゲームに夢中。「ドラクエ」に似たRPGで、ゲームの中をキャラクターになって歩き回り、敵を倒したり、他のゲーマーとチャットで話して、仲間になったりする。
先日、初めてそのチャットがうまくいった昇平が大興奮で報告してくれた。
「お母さん、お母さん、ぼくね、初めてお話ができたんだよ! あのね、ぼくが弓使いになって弓の練習をしていたら、ぼくの矢のまえに立っている人がいてね、『いたい』って(チャットで)言ってきたんだ。だから、ぼくも(チャットで)『ごめん』って書いたら、『いいよ』って言ってくれたの。だからね、『まぜて』って言ったら、『なに(に)まぜて?』って聞かれたから、『ぐるーぷ』ってひらがなで書いちゃったんだ。そしたら、『いいよ』って言ってくれたんだよ!」
昇平がチャットで話した相手は、同じようにオンラインゲームをしている、どこかの誰かさん。生まれて初めて、チャットでのやりとりが成立して、昇平は嬉しくてしかたなかったらしい。結局、近くに仲間を捜している人が他にもいたので、その人のグループに2人で入って、しばらく一緒に冒険したらしい。
たぶん、ゲームの世界の中でも、昇平はなかなか上手には立ち回れないでいるのだろうと思うけれど、自分自身がキャラクターになって目の前で動いている分、客観的な判断がしやすいのかもしれない。
こういうものを通しての関わり練習もいいもんだなぁ、と思っている。


【エピソード3】

これは昨日の話。
学童に迎えに行ったら、おやつの時間、本を見てはいけないのに昇平が座布団の下に漫画本を隠して読んでいたという話を聞かされた。
鴨原先生が「今はダメだよ」と言うと、昇平は「そんなら、こんな本は破いてやる!」と怒ったらしい。そこで、先生は、昇平くんが本を破いたらゴミ箱に捨てるしかないこと・・・ゴミ収集車で運ばれて焼却炉で燃やされてしまうことを話し、「そうすると、せっかく学童に本を買ってくれた園長先生はどう思うだろうね?」と言ったところ、たちまち昇平は「ごめんなさい! 破きません!」と反省したらしい。
本が捨てられることでも、燃やされてしまうことでもなく、「本を買ってくれた園長先生の気持ちを考えてごらん」といわれたところで、はっと気づいて反省した、というところに、成長を感じた。
やっぱり、他者の気持ちを思いやれるようになってきたんだね。


【エピソード4】

さらに昨夜のこと。
昇平はお気に入りのビデオをつけていた。
そこへ、旦那が帰宅。「お父さんはニュースが見たいんだけどな」と言ったところ、パソコンの前に座っていた昇平が、すわっと飛んできて、張り切ってビデオからテレビにちゃんねるを切り替えた。
「もちろんいいよ、どうぞどうぞ!」という声が聞こえてきそうな様子だった。
寝る前にお兄ちゃんが「パソコンのところに蜘蛛がいる」とやってきたときには、「ぼくがお助けしてあげる!」と布団から起きあがって飛んでいった。(注:お兄ちゃんは蜘蛛が苦手。ちなみに、同じ部屋にいた旦那は、虫全般が苦手)
結局、昇平にも蜘蛛はつかまえられなくて、母の出番となったけれど。(注2:母はナメクジ以外ならだいたい平気。蜘蛛も毒さえなければ、手でつかまえられる)
こんなふうに、誰かのために何かをしてあげようとする行動も、最近の昇平にはよく見られる。


【エピソード5】

今朝、学校でのこと。
Cくんと一緒に遊びたい昇平、厚紙を何枚も小さな四角に切って絵を描き込んでいたと思ったら、それをCくんの机に裏返しに並べて、神経衰弱を始めた。
「ぼく、当たった。あ、はずれちゃった。今度はCくんの番だよ」
でも、Cくんは読書に夢中。そのうちに、ドウ子先生に言われて、今日の授業を協力学級に聞きに行く時間になった。
小さなカードを何枚か取って、箱にバラバラと入れるCくん。
「あー、なにするんだよ! いじわるだー!」と怒る昇平。
「もう片づける時間だよ」とCくん。
いじわるだ、いじわるだ、と昇平が怒り続けているので、声をかけた。
「ねえ、昇平。Cくんは一緒にそのゲームで遊ぶって言っていたっけ?」
あ! という顔で目と口を丸くする昇平。
「でしょう? Cくんが『遊ぶよ』って返事もしていないのに、勝手に準備をしてゲームを進めていたって、それは一緒に遊んでいることにはならないんだよ」
と教えると、あー、そうかー、という感じで昇平は納得して、協力学級に予定を聞きに出かけていった。

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他人に興味関心が出てきて、関わり合えることを楽しむようになり、人への思いやりも芽生えてきている昇平だけれど、それでも、他人の気持ちを思いやるところまでは、まだまだのようだ。
ま、怒ったり楽しんだりしながら、がんばりなさいね。(笑)

[05/07/12(火) 11:47] 学校 日常

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