昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

学童で過ごす夏休み

夏休みに入って10日あまりが経った。昇平は先週末に疲れから腹痛を起こしたけれど、その後はまた元気いっぱいで、毎日学童に通っている。
ほとんど一日中そこで過ごしてくるので、この夏は昇平の様子もあまりわからない。迎えに行ったときに指導員の鴨原先生から様子を聞く程度。こんなふうに少しずつ親の手元から離れて、自分と周りの人たちとの関わりの中で生きるようになっていくのかな・・・などと思っている。

あまり情報量としては多くないけれど、学童での昇平は、こんな日々を過ごしているらしい。

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昇平はプールが大好き。まだ水の中で目を開けられないから、自力で水に浮いて泳ぐことは出来ないけれど、ビート板につかまってバタ足で進むのが楽しいらしい。学童では、毎日のように学校のプールに子どもたちを連れて行ってくれるので、昇平も思う存分楽しんでいる。
今までは、夏休みに学校のプールまでなかなか連れて行ってあげられなかったから、日焼けもさほどではなかったのだけれど、今年の昇平はこんがりコーヒー色。いかにも夏休みの小学生らしい色になった昇平の背中を見るたびに、学童ってありがたいなぁ、と感じている。

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夏休み中は子どもたちが学童で過ごす時間が長い。そうすれば、当然、小さなトラブルも頻発する。
誰かがちょっと困ったことをして、なかなかそれをやめないでいると、昇平がその子に注意に行くのだそうだ。最上級生の自覚というところ? けれども、昇平はそのトラブルの背景や人間関係までは把握できない。ただトラブルを起こした子を叱りつけて、時には頭を叩いてしまったりすることもあるらしい。
そのたびに、鴨原先生は、その注意のしかたは適当ではないことを話し、学童の子に注意するのは先生の仕事だから昇平くんは先生の仕事を取らないように・・・と注意をしてくれている。そうすると、昇平もすぐに謝るらしいが。
昇平がトラブルを起こす子に腹をたてる背景には、昇平の持つ聴覚過敏や衝動性の特徴が絡んでいるから、一そう簡単にはおさまらないのだけれど、それでも、そんなふうに繰り返し繰り返し指導されることで、いつかは必ず正しい関わり方が本人の身についていくのだろうと思っている。
人との関わり方は、人の中でしか覚えられない。そして、昇平の場合は、その関わり方を教えてくれる大人がそばにいてくれる必要がある。そういう「場」を与えてもらえたことに、ただただ感謝。

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お絵かきを始めると、昇平は学童の人気者になるらしい。わっとギャラリーが集まってきて、昇平が描く絵をみんな眺めたり、絵を元におしゃべりをしたりしているのだという。
昇平の頭の中からは、次々といろんなアイディアが飛び出してくる。キャラクターもアイテムも舞台も、次から次とわいてきて、それをさらさらと紙に描いていく。学童に迎えに行くと、昇平の荷物は、必ずお絵かきした紙でいっぱいになっている。
得意なことがあるってのは、いいことだね。
ほんとうにそう思う。

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毎朝、食後の歯磨きを終えると、昇平は歯みがきカードに色を塗る。1日ごとに木の葉が書いてあって、1枚の葉が「朝」「昼」「晩」の3つの部分に分かれている。
1週間ほどして、昇平がカードに色を塗りながら言った。
「昼だけずっと塗ってないね」
学童で昼食を食べた後、歯みがきをしていないのだ。
「自分で歯みがきしてくるといいんだよ。ちゃんと歯ブラシとコップは荷物に入れてあるんだから」
すると、その日から昇平は昼食後にも歯みがきをするようになった。歯みがきカードの葉っぱは、1枚全部色が塗られるようになってきた。
自分でやろうと考え、自分で忘れずにそれを実行できた。そのことがすごいな、と思う。

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夏休みはまだまだ続く。
人との関わりがたっぷりな、今年の昇平の夏。
これが終わる頃、君はどんなふうに変わっているんだろうね。

[05/08/03(水) 11:48] 学校 日常

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