昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
夏休み雑記帳(前編)
また1週間ほど日記の更新が停滞していた。これは盆休みで、あれこれ忙しくて日記を書いている暇がなかったから。
その間、昇平は墓参りをしたり、郡山のわたしの実家に泊まりに行ったり、プールに行ったり、花火をしたり、といかにも夏休みらしい生活を送っていた。そのひとつひとつを詳しく書いている余裕もないので、母の印象に残っているエピソードや場面を、思いつくままに書き残しておこうと思う。
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その1 「プール」
ビート板なしで泳げるようになったのが得意でしかたない昇平。お父さんを誘ってプールへ行った。今まで入れなかった50mプールにも入れてご満悦。ただし、なかなか前に進まない。水に浮いてジタバタしている状態らしい。たぶん、手のかきとバタ足のタイミングが合わないのと、手足の角度に無駄が多いからなんだろうな。・・・とか考えても、運動音痴の母には、それを指導することもできないし。うーん。休み明けの学校の指導に期待したいところ。
ある夕方、スーパーで保育園の年長組時代の副担任とばったり会った。懐かしがる副担任に、昇平がさっそく報告した。
「俺、プールで泳げるようになったよ」
「そう〜、昇平くん泳げるようになったんだ。すごいね〜。何メートル泳げるようになったの?」
「1メートル!」
得意そうに答える昇平の顔が面白かった。
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その2 「はるちゃん」
盆の14日に、私の実家へ行ったら、おとーとが愛娘のはるちゃんを連れて泊まりに来ていた。ちなみに、奥さんは仕事の関係で1週間ほど遅れて来るという。その間の娘の世話は、おとーとが一手に引き受けていた。毎日娘に料理を手作りし、細々と面倒を見ているおとーとだからできることではあるけれど、とにかく、感心するほどの親バカぶりだった。ありゃあ、はるちゃんが年頃になって彼氏を連れてきたりしたら、絶対に大騒ぎだぞ。(笑)
ところで、昇平は、はるちゃんが苦手。というか、はるちゃんの「泣き声」が怖い。緊張しながら郡山に向かい、おじいちゃん、おばあちゃんの家に着くなり、
「こんにちはー! はるちゃん、かわいいねー! ぼく、はるちゃんのこと、大好きだよ! はるちゃん、いい子だねー! かわいいねー!」
・・・だから、泣かないでくれ、と言いたかったらしい。
最初、普通の顔をしていたはるちゃん、あまり昇平がしつこく言うものだから、怖くなったのか不愉快になったのか、「ウェーン!!!」と大声で泣き出してしまった。
大泣きをされて、昇平もパニック。そこで自分がしつこく言い過ぎたから悪かったのだと気がつけばよいのだけれど、昇平としてみれば、「やっぱりはるちゃんは泣いてしまった! いつ泣くかわからない怖い存在だ! 近づかないようにしよう!」となってしまったらしい。その後は、はるちゃんがいる部屋にはめったに近づかなくなって、離れた部屋でずっとゲームばかりしていた。
それでも、実家の両親は昇平の様子を見て「ずいぶん大人になってきたな」と言ってくれたけれど、最近の昇平は、その何倍も社交的になってきていたから、そういう姿を見てもらえなかったのは、ちょっと残念だった。
でもまぁ、はるちゃんだって、いつまでも大泣きするような幼児じゃないわけだし、昇平だって次の機会というものがある。
聴覚過敏という特徴が、年齢と共に軽減していくのか、それとも大人になるまでずっとこの調子なのかはわからないけれど、それでも、持って生まれたものだから、折り合いつけながら一緒に生きていくしかないよね、と思って見ている。
[05/08/19(金) 13:05] 日常