昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

「ムシキ○グ」初体験

今、小学生の男の子の間で大流行している「ムシキン○グ」を、昇平も初体験してきた。ゲーム機に100円を入れると、カブトムシやクワガタなどの昆虫カードや、その虫が使う技(わざ)カードというのが出てきて、それをゲーム機に読み込ませて他の虫と対戦させる、というゲームだ。

ことの起こりは、ゆめがおか学級。上級生のCくんとDくんは「ムシキ○グ」が大好きなのだが、規則で学校にカードは持ってこられないので、紙に虫の絵を描いては切り抜き、それを対戦させて遊んでいた。それを見ていた昇平も、いつの間にかその虜になり、いつか自分もやってみたい、自分の虫カードを持ちたい、と憧れるようになった。
ところが! この町には「ムシキン○」のゲーム機がない!(田舎だよね〜)
他の男の子たちは、近くの別の町へ出かけていっては、カードを集めていたらしいが、昇平はまだ一度も体験したことがなかった。そこへ、情報通のDくんから、某スーパーマーケットにとうとうゲーム機が入った、というニュースが。さっそく昇平とDくんの間で、土曜日、一緒にそのスーパーに行って「ムシキン○」をやる、という約束が結ばれた。Cくんの弟くんも一緒に行くことになった。(その約束の打ち合わせには、母も大分手伝ったけれど) 

土曜日の朝、昇平はなんと5時半に目を覚ました。ちょうど、遠足当日の朝のような状態。嬉しくて楽しみで、早々に目が覚めてしまったのだ。
朝、学童に行く途中でも、「今日はC君たちとムシキン○やるんだ〜。楽しみ〜」と言っていた。
昼食後、それぞれに財布や小銭を握りしめて私の車に乗り込む子どもたち。うきうき、わくわく、とても楽しそう。素敵だねぇ。ゲームひとつでこんなに嬉しそうになれるんだもの。

お目当てのスーパーに行ってみると、ゲーム機の前は小学生で長蛇の列。あらら〜、予想はしていたものの、すごいなぁ。
昇平もCくんも弟君も、長時間列に並び続けるのはとても苦手。しかたないので、代わりに私が順番をとっていたけれど、1時間近く待たされた。すごい人気だ、本当に。
でも、その間に並んでいる子どもたちの様子をじっくり観察することができた。カードを交換しあう子、自分の強い技カードを友だちに貸す子、アドバイスする子、批評する子、見守る子・・・要領よく順番を抜かして前に出る子もいれば、小さい子に先を譲ってやる子も。でも、どの子も1回の対戦が終わったら次の人に番を譲っている。見えないルールや配慮が、確かにそこにあった。
この手のゲームは賛否両論のようだけれど、やっぱりれっきとした「子どもの文化」なんだなぁ、と思ってしまった。

昇平は、こういう「文化」に触れるのは初めてなので、順番が待ちきれなくて騒いだり、他の子の対戦の様子に騒いでしまったり・・・と、ちょっと注目を浴びていたけれど、Cくんと弟くんは慣れているので、そのあたりは上手に待っていた。
昇平も回数を重ねれば、きっと上手に待てるようになるね。
待って待って、ついに昇平の順番が来たとき、運のいいことに中くらいの強さの「虫カード」が出てきた。
でも、昇平は初めてだから、虫を強くするための「技カード」を持っていない。すると、それを見ていた知らない子が「あ、ぼくの技カードを貸してあげるよ」と言って、素早くデータを読み込んでくれた。・・・優しい!
結局、昇平は負けてしまったけれど、でも、生まれて初めてのカードは手に入ったし、対戦も経験できたし、Cくんたちとも一緒の時間を過ごせたし、ご機嫌でスーパーを後にした。

今、テーブルの上には3枚のカードがある。
今日自分で出した「虫カード」と、Cくんの弟がくれた2枚の「技カード」だ。昇平は、ときどき手にとっては、にまにま〜っと眺めている。
初めて体験した「子ども文化」は、とてもとても楽しかったらしい。
素敵な思い出になって良かったね、昇平。

[05/09/10(土) 20:07] 日常

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