昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
交流会で
フリー参観レポートの最終回を残しながら、また違うネタを書いてしまっている私。忘れないうちに、フリー参観も書いておかなくちゃね・・・。
今回は、月曜日の体育の日にあった、町内の小中学校養護学級の家族交流会の話。
交流会は毎年、秋のこの時期に行われる。養護学級の担任だった先生方3人が音頭を取って、養護学級の在校生や卒業生、その家族に案内を出してくださる。この季節の東北の名物「芋煮会」をして、さらに新鮮サーモン2匹をどーんと丸ごと2尾ハーブ焼きにし、卒業生が働く作業所で採れた茹でジャガイモに岩塩を添え、粉をこねて棒に巻き付けて焼く木の枝パンを作り・・・と、とにかくおいしくて楽しい集まりになる。すでに社会人として働いている卒業生も来て、今年は親子合わせて50名あまりの参加があった。
昇平も毎年この集まりに参加しているので、どんなことをするのかはよく知っている。お友だちと遊べるし、おいしいものもお腹いっぱい食べられるというので、とても楽しみに参加した。確かに楽しかったし、おいしかった。・・・けれども、同時にこの集まりは、昇平が抱える困難を再確認する場にもなってしまった。会場に、生まれて半年くらいの赤ちゃんを連れて参加したお母さんがいたのだ。
昇平は小さい子や赤ちゃんの泣き声が大の苦手。この赤ちゃんがぐずるたびに顔を引きつらせ、怒りモードになっていた。
兄弟で参加した小さな子たちもいたのだが、この子たちが兄弟ゲンカを始めると、それにまた怒りモード。ケンカになれば怒鳴り声が聞こえてくるし、やがては泣き出すことも多い。だから、昇平は子ども同士のケンカが大嫌いなのだ。
嫌いならば嫌いで、その場から離れていられればよいのだけれど、それができないから困ってしまう。逆に仲裁するつもりで、状況に合わない口出しをしたりするから、なおさらこじれて大騒ぎになってしまう。
さらに、こんな時くらいはゲーム無しで、と思ってGBA(ゲーム機)を持っていくのを禁止したら、他の子たちがみんな持ってきていて、これにまたかんしゃくモード。開会式が始まって、他の子たちがゲーム機をしまっても、まだ怒ってぶつぶつ言い続けていた。
母としては、「はぁ〜・・・」とため息が出るような状況だった。
こういう昇平の行動が、彼の感覚的な困難から来ているのはわかっている。
聴覚過敏。それも、予期しないときに突然大きな音や声がする状況が、どうしても我慢できないのだ。
赤ちゃんや小さい子の突然の泣き声、子ども同士のケンカ、親が子を叱りつける声・・・それ以外には、雷の音や、SLの汽笛の音も大の苦手だ。突然雷が頭上でガラガラッとなる音が嫌いだという人は、大人の中にもけっこういると思うけれど、昇平の場合は、小さな子の泣き声などでも同様に恐ろしく感じられる、ということなのだと思う。予期していないときに、突然びっくりするような声(音)が聞こえてくるから、なおさら怖いのだろう。
実は、会場になった公園には本当にミニSLも走っていて、交流会に参加した人たちは無料でSLに乗れることになっていた。ゆめがおかのお友だちは、みんなお母さんと一緒にSLに乗りに行ったけれど、昇平だけは汽笛が怖いので留守番。ひとりでうろうろと過ごしていた。
最後に記念撮影をするときには、全員で「チーズ!!」と言ったとたんに、その声にびっくりして赤ちゃんが泣き出してしまった。とたんに昇平は耳をふさいだけれど、きっと、写真には引きつった顔で写ったことだろう。その後で、「チーズ、って言って、よくも赤ちゃんを泣かせな!」と言って、まったく責任のない、とあるお母さんに向かって怒っていた。まあ、この方は昇平を知っている方で、理解があったので問題はなかったけれど・・・。
昇平が泣き声や突然の大きな音を怖がることは、本当に、どうしようもない。同じ五感を持っていると言っても、その感じ方は1人1人で違っている。昇平の場合は、その違いに普通より少し大きいところがある、ということなのだ。
けれども、そのために、できることが狭められたり、せっかく人と一緒に過ごすのが楽しいと感じ始めている時期なのに、ただ泣き声が怖い、というだけの理由で、関わることがうまくできなかったりするのを見ると、母親としてはかなり残念だし、つらい気持ちになる。
赤ちゃんがいる時期、お母さんは出かけられる場所がとても限られてしまうから、せめてこういう場所では赤ちゃん連れでも楽しんでほしいと思うし、兄弟連れで参加できる交流会というのは、本当に素敵から、ぜひ続いていってほしいと思う。
そういう楽しい場で楽しめなくなる昇平の「特徴」を、変えることはできなくても、なんとか少しでも軽減してあげられる方法はないだろうか。・・・皆さん、なにかアイディアはありませんか?
[05/10/13(木) 00:09] 日常 療育