昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
フリー参観・6
さて、スペースも尽きてきた。先を急ごう。
【給食】
給食はゆめがおか1・2の全員で準備して食べる。低学年の頃は食べるのにものすごく時間がかかっていたDくんと昇平。今じゃ山盛りのご飯でもぱくぱく食べて、おかずも食べて、余裕で「ごちそうさまー!」
成長したもんだ。
【昼休み】
今年から普通学級に移ったBくんが誘いに来て、男の子たちは校庭にサッカーにでかけた。
昇平だけ別行動だったので、後から「どこに行っていたの?」と聞いたら、アリがいっぱいいる木を見つけて、それを観察しに行っていたのだそうだ。1人で行動させても、もうまったく危ない感じはない。これもまた成長だろう。
【清掃】
多くの小学校と同様、この学校でも清掃は縦割り班と呼ばれる、複数学年による班で行われる。昇平は今週は教室掃除の担当になっていた。机を運んだり、雑巾を絞って床を拭いたり。その雑巾がビタビタ濡れていて、女の子に注意されると、バケツに絞り直しに行っていた。その手つきに力がなかったので、そばに寄って絞り方をおしえた母。うーん。家では雑巾かけなんて教えたことがなかったね、そういえば。
ときどき、やることを忘れて教室をふらふらする場面も見られたが、母と目が合うと、とたんにまたせっせと掃除を始めていた。ちなみに、これは昇平以外の子どもたちも同じだった。フリー参観に来ているお父さん、お母さんたちの姿を見ると、それまでおしゃべりしていた子たちも、とたんに真面目に手を動かし始める。きっと、この日の清掃は学校中がいつになくピカピカに仕上がったに違いない。(笑)
【5校時目―国語】
本日のメインイベント、「ニュース番組を作ろう」の公開放送!
いや、子どもたちの発表を撮ったビデオを親子で見る、というものなのだけれど。
ゆめがおか2の子どもたちは4〜6年と複数学年に渡っているので、単一の内容に取り組むのは難しい。けれども、同じ時期に同じような目的の単元に入ることは多い。このときの子どもたちの単元目標は「人に上手に伝えるための取材と発表の工夫」だったらしい。ドウ子先生はこれを、ニュース番組の各コーナーを担当するという形で、1人1人の発表をひとつにまとめ上げたのだ。
私が、ドウ子先生の授業を見ていてつくづく感心するのが、この発想の良さ。子どもたちが目を輝かせて取り組むような課題設定が、ものすごくうまいのだ。本来は人前で話したり、発表したりというのが苦手な子どもたちが多いのだけれど、「ニュース番組を作ろう!」「みんながニュースレポーターやアナウンサーなんだよ!」「ビデオに撮って、お母さんたちにも観てもらうよ」と呼びかけて、子どもたちの意欲をがっちりとつかんでしまった。
通級に来ているF子ちゃん、Hくんも一緒になって、何度も自分たちで見直してNGを出しながら、ニュース番組を作り上げていったのだそうだ。
実際のビデオを観てみると、声が小さい上によその教室からの喧噪を拾ってしまって、何と言っているのかわかりにくい場面も多々あったけれど、でも、どの子も真剣な顔で自分が調べたことを発表し、絵や実物で説明をしたりしていた。昇平は生活のコーナー担当で、Hくんと組んで、風邪に効くシロップの作り方をお芝居でやって見せてくれていた。
あー、なんかすごくいいなぁー・・・とつくづく感じてしまった。
ビデオを観た後は、1人1人のお友だちの「良かったところ」をメモに書いて、その人の前で読み上げる、ということをしていたが、ここで面白かったのが、またF子ちゃん。
それまで、男の子同士だと「原稿を見ないで読んでいたのが良かったです」とか「前を向いていたのが良かった」とか、型どおりの感想を言っていたのに、F子ちゃんに感想を言ってあげる段になると、男の子たちは、我先にという感じでメモを持ってF子ちゃんの前に殺到! それを見てドウ子先生が「なんか、昔テレビでやってた『告白タイム』みたいだねぇ」と言うものだから、親は大爆笑だった。
2年前にいたHちゃんもそうだったのだけれど、女の子が1人教室にいるだけで、男の子たちの態度が変わってくる。
男の子だけだと、競争したり相手を非難したり、なにかというと張り合う場面が増えるのに、F子ちゃんにだけはみんなすごく優しい。F子ちゃんを思いやって、ほめてあげたり応援したり。本当に『マドンナ』なんだなぁ、とつくづく感じる。
「相手の気持ちを考えよう」とはよく言われることだけれど、その基本はやっぱり、その相手が「好きだ」という感情から来るんじゃないだろうか。相手に好意を持っていて、その人に喜んでほしいから、だから、その人の気持ちになって考えるようになってくる。・・・もちろん、そういう「配慮」の能力は、子どもによって個人差のあるところではあるけれど、でも、好きな人に笑ってもらいたいと思うところから、思いやりの心は育っていくんじゃないだろうか。
そういう意味からも、F子ちゃんがゆめがおかに来てくれるのは本当にありがたいことだと思うし、F子ちゃんのおかげで優しい気持ちを育んでいる男の子たちを、「男らしくて素敵だなぁ」と感じた。
[05/10/15(土) 12:58] 学校