学習発表会当日

昨日の土曜日、昇平たちの学習発表会があった。
組体操の練習をごねて、一時は先生たちを「どうしようか」と悩ませた昇平だけれど、全体の見通しを立てるための工夫と友だちからの励ましで、やる気を起こして練習に取り組み、家でも筋肉トレーニングをがんばってきた。当日が近づくにつれて、昇平が落ち着いて自信のある顔つきになってきたので、「ああ、これは大丈夫そうだ」と思いながら見守っていた。
いよいよ、その本番。昇平の組体操はどうだったか？

ほぼ完璧だった。
周りの子どもたちと同じように動き、同じようにピッとポーズを決め、はみ出すこともなく、遅れることもなく、完璧に演技をこなしていった。気をつけ、十字、水平バランス・・・腕立て、１人しゃちほこ、片手バランス・・・。
あまりにも完璧だったので、母は途中まで、どこに昇平がいるのか見つけられなかった。（苦笑）
やっと昇平を見つけたのは、１人技も２人技も終えて、全体技の大波に入ったとき。昇平がステージに駆け上がってきて、最前列に並んだので、それでやっと見つけられたのだ。隣の子と肩を組み、波を送り、前後に向きを変える。ちゃんとできている、できている！　一生懸命がんばっている！
昇平たちがまたステージ下に駆け下りていった。最後の決め技に入っていく。昇平は３人で組んで「小岩」を作る。昇平ともう１人が四つんばいになった上に、もう１人の子が立ち上がると、２段構えの「小岩」ができる。いわゆる「ピラミッド」だ。次のグループは３段構えの「中岩」を作り、最後にステージ上のグループが、全員で４段構え（だったと思う）の「大岩」を作って、全体で一つの景色ができあがる。
ということは、一番最初に小岩を作った子どもたちが、一番長い間その姿勢を保っていなくてはならないということなのだが、昇平は本当にがっちりと下の岩の役をやり通していた。上に立ち上がった子も、微動だにせず立ち続けている。それを見ていて、私は鼻の奥がつんと熱くなった。すごいね、昇平。本当にすごいね。みんなと一緒に組体操をやり遂げたね。

組体操の次には元気のよい音楽がかかり、「アイーダアイーダ」というリズム踊りになった。子どもたちが２人一組で曲に合わせて踊る。
このとき、子どもたちは位置が変わり、自分が組む相手と並ぶのだが、昇平があわてて自分のポジションを探しているのが見えた。すると、並んでいた子たちが、すっ、すっと昇平を横に押して、昇平の相手のＫくんのところまで送ってくれた。Ｋくんが昇平の手をつかんで、自分の前に引き寄せてくれる。ナイスフォロー！　あまりに素早い対応で、昇平がまごついていたのもほとんど目立たなかった。
音楽が始まる。昇平はＫくんと踊る。早い音楽で、昇平にはついていくのが大変そう。でも、Ｋくんの動きを見ながら一生懸命踊って、時々、自信のある部分では自分から動いているのが見えた。
その様子に、私は、また、じーん・・・。

Ｋくんは去年まで学童で一緒だった同級生だ。学校から毎日学童まで一緒に帰ってくれていた。
昇平は同じく学童に行くＹくんのほうを先に覚えて、いつでも「Ｙくん、Ｙくん」と後を追いかけていて、Ｋくんをなかなか覚えられなかった。でも、Ｋくんは嫌な顔ひとつすることなく、「俺もいるよ。俺のことも頼れよ」と言うように、笑顔でいつも昇平にアピールしてくれていた。私は、そんなＫくんの優しさが本当にありがたかった。
そのＫくんと、今年、昇平は一緒に組体操をやり遂げ、「アイーダアイーダ」を一緒に踊っている。Ｙくんも、「一緒に組体操のゴール目ざしてがんばろうね」と昇平を励ましてくれた。
友だちと一緒にがんばって、みんなで一緒にやり遂げた学習発表会。組体操の１つ１つは見届けられなかったけれど、でも、昇平が本当に上手にやっていたことは、はっきりわかった。昇平がみんなと同じで見つけられなかったというのが、何よりの証拠だから。
そして、ふと、こんなことにも気がついた。組体操ができなくてあぶれているような子は、本当に誰もいなかった。ということは、昇平と同様、組体操になかなか取り組めなくて苦労していたＬ子ちゃんも、ちゃんと一緒にやれたと言うこと・・・！
Ｌ子ちゃんもよかったね。よくがんばったね！

イベントを一つクリアするごとに、必ず何かを獲得する昇平だけど、この学習発表会でも、また一つ、素敵な成長を見せてくれた。発表会が終わった後には「これからも筋肉トレーニングを続ける」と言っていた。
昇平を支えてくれたお友だちに、先生方に、学校に、本当に心から感謝。
昇平のがんばりに、拍手！


[05/10/23(日) 14:26] 学校