昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

継母の正体

夜寝る前にグリム童話を読む日が続いている。
先日は「ヘンゼルとグレーテル」の話だった。

私が読み聞かせているのは、「完訳版グリム童話」。ことばづかいは古めかしいけれど、原文に忠実なので、絵本などで読むグリムとはひと味違うものがある。手加減がない、というのだろうか。悪役はとにかく残酷だったり意地悪だったりするし、善人は徹底的に善人になる。それが本当の昔話なのだけれど。
だから、「ヘンゼルとグレーテル」を聴きながら、昇平は、子どもたちを森に捨てようと主張する継母に憤り、お菓子の家の魔女に、本気になって「こいつ、すごい悪人だ!」と怒る。それくらい徹底しているから、ラストで悪役が死んでも、心から「ああ、よかった」と喜べるんだよね。

ところで、この話では子どもたちが魔女の家を逃げ出して無事に家に帰ると、意地悪な継母は「死んでいました」とだけ書かれている。
家にいるのは優しいお父さんだけ(でも、奥さんの言うとおり子どもたちを捨ててしまうんだから、かなり優柔不断だとは思うけど)。魔女の宝を持ち帰った子どもたちは、もう二度と森に捨てられる心配もなく、めでたしめでたし・・・となるわけなのだが、そこを聞いた瞬間、昇平が言った。
「継母の正体は魔女だったんだ! そういうことだったんだ!」

え?

・・・よーく考えてみた。
森の中で人食いの怖い魔女を倒して家に戻ってみたら、意地悪な継母は「死んでいた」。
うーむ。確かに、魔女と継母が実は同一人物だった、という解釈も成り立つわね。
魔女が自分の食料になる子どもを求めて、母親のふりをして家に入り込んで子どもを森に捨てさせる・・・なんて、手の込んだことをやったって、おかしくないような気もする。
なるほどねぇ。
もちろん、実際のグリムにはどこにも魔女と継母が同一人物だった、という記述はないので、おそらくは単なる偶然なのだろうと思う。でも、一見無関係に見える人物と人物を、昇平が関連づけて、不自然なく解釈したことに、ちょっと感心してしまった。

最近の昇平は、あるものと別のものの間に関係を見つけたり、共通点や相違点を探し出すようになってきたように感じていたが、やっぱりそうだったんだなぁ、と再確認した出来事だった。

[05/11/20(日) 14:21] 日常

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