昇平てくてく日記2

小学校高学年編

順調かも

 薬(セレネース)の調整をしてもらってから、行動が落ちつき始めた昇平。毎日の連絡帳にも、トラブルの記録はほとんど載らなくなった。
 以下は、学年集会(学級集会)があった日曜日〜今日月曜日までの連絡帳の内容から。

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9月10日(日)   記録者:母

 今日の学級集会のパン作り体験、楽しかったですね。(集会の様子はこちら→ そっと、ひとりごと「米粉パン作り体験」
 終わってから、D君の弟のA君が遊びに来てくれました。その時の二人の関わりの様子は、こんな感じでした。

【はじめ】
 A君は家から持ってきたゲームソフト、昇平はパソコンでそれぞれのゲームをしている。てんでバラバラで、「それで一緒に遊んでるって言えるの?」というような状態。
  ↓
【中盤】
 私にパソコン休憩を言い渡されて退屈になった昇平、A君にゲームをやらせてと頼むが、「ダメ」と断られる。結局話し合って、うちにあった「カービィ64」のゲームソフトでA君がプレイし、昇平がアドバイスすることになるが、A君がうまくできないことに昇平がイライラ。言葉づかいもとても乱暴になるので、A君も怒り出す。
 昇平 「もしかして怒ってるの?」
 A君 「(憮然として)あたりまえでしょ」
 昇平 「ごめんなさい、ごめんなさい、許してください……!」
その後からは、言い方が少し優しくなる。
  ↓
【後半】
 パソコンにダウンロードしてあるソフトで昇平が自作したロールプレイングゲーム(※)を、A君がプレイしてクリアする、という遊びが始まる。かけ算九九などの問題を解くと敵が倒せる、というゲームを作るが、問題のレベルをA君に合わせているので、A君もクリアできてニコニコ顔。やがて、A君のほうでも「ここはこうしてよ」などとリクエストを言って、昇平がそれに合わせてゲームを修正したりするようになる。
※ 「アクションエディター」

 結局、12時半から4時頃までずっと一緒にいました。

P.S.
 乳歯が抜けないうちに永久歯が生えてきたので、歯医者で抜歯してもらってきます。3:20に学校へ迎えに行きます。

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9月11日(月)   記録者:ドウ子

 きのうはお世話になりました。パン作りの時、「粉から練らないのぉ……」とあせった昇平君も、その後、生地作りもできて良かったですね。A君とも最終的には一緒に遊べて、いい経験だったと思います。A君は業間の休み時間や昼休みにもゆめがおかに来ていますが、これまで昇平君と関わりがなかったので、初めてにしては、ずいぶん長く遊べたと思います。
 今日も5−2で理科がありました。(騒がずに参加することを)しっかり約束をしてから出かけていきましたが、とても落ちついていた、とのことでした。学習したプリントも、何も見ないで、ほとんど正解が書けていたそうです。

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9月11日(月)   記録者:母

 そうですね。昨日のA君と昇平は、一緒に遊ぶ約束はしたものの、最初関わり方が分からなくて、互いにてんでに……と言う感じでした。でも、帰るときには、A君が「また遊びに来てもいい?」と聞いてきたくらいで、本当によい経験だったと思います。
 歯医者で抜歯をしてきました。心配して、かなり緊張して怖がっていたのですが、
1.動かない   2.しゃべらない   3.口を大きく開ける
の三つを約束してがんばりました。騒ぐこともなく、実際の抜歯もあっという間にすんで、「えっ、もう終わりなの?」と笑顔になった昇平でした。

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 以上のように、毎日昇平はがんばって協力学級の授業に臨んでいる。あれ以来、5−2でトラブルを起こしたという報告は一度もない。
 セレネースが本人の衝動性を抑えて、自己コントロールをしやすくしてくれているのは事実だが、それだけでなく、あらかじめ正しい行動を確認して約束し、それがちゃんとできたら誉められるという経験を積み重ねている。たぶん、一番大事なのはこちらなのだろうと思う。自分で自己コントロールをがんばって、それが成功したら、たくさん誉められる。それが本人の自信になって、本物のコントロール力に変わっていくのだろうから。薬というのは、その経験が積めるようになるための補助なのだろう、という気がしている。

[06/09/11(月) 19:48] 学校 日常 療育・知識 発達障害

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